DEAD OR BASEBALL!

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Vol.129 2003年プロ野球戦力診断 オリックス編
2003年02月14日(金)

<投手分析>
先発…具、金田、ユウキ、吉井、鈴木、小倉、相木、川越、小川
右中継ぎ…山口、徳元、加藤、佐野、牧野
左中継ぎ…嘉勢、山本、岩下、川口
クローザー…萩原、大久保

 最下位をひた走った昨期だったが、金田・具が最優秀防御率を争ったように、投手陣そのものは決して悪くはない。昨期のチーム防御率3.58は、西武の3.20に次ぐリーグ2位の好成績。悪いどころか、むしろ良いという結論に達する。

 大黒柱の両左腕、近鉄から途中移籍して7勝1敗・防御率1.93と神懸った数字を残したユウキ、ミスターコントロールの小倉で回したローテーションからヤーナルが抜けて、吉井・鈴木という元メジャー組を加えた6人が今年のローテーション候補。川越や小林という実績組の後退が顕著で、小川や川口が計算に入れられない中でこれだけのローテーションを組んだのだから、元メジャー組2人の影響というものは思ったよりも大きい。

 反面として、リリーフは山口と大久保の故障がある分、どこまで計算していいのか分からない怖さがある。この2人が満足に働けるなら、昨期頭角を現した萩原を含めた3人で12球団屈指の豪腕リリーフトリオが結成可能。これに神奈川大学リーグの速球王だった加藤も入れれば、それは爽快なリリーフ陣になる。しかし、大久保と山口が出遅れればその目論見もオジャン。

 中継ぎ左腕の不足も頭痛のタネ。一昨年70試合に登板した嘉勢が昨期は33試合と息切れし、白血病からカムバックした岩下、2年目の山本に過剰な期待は寄せ辛い。豪腕カルテットがリリーフでスタンバイすれば、左右の継投というケチくさいことは言わずに済むのだから、今年のオリックスはリリーフ陣が最大の目玉でもありアキレス腱になりそう。

診断…元メジャー組の2人と佐野の加入で、投手陣全体の厚みが実感できるようになった。問題は故障を抱えた山口と大久保の働き具合。先発陣の顔触れは文句のないレベル。



<野手分析>
1(右)葛城
2(二)大島
3(中)谷
4(左)ブラウン
5(指)五島
6(三)シェルドン
7(一)山崎
8(捕)日高
9(遊)平野

控え
捕手…上村、前田
内野手…塩谷、進藤、塩崎、後藤、オーティズ
外野手…高見澤、副島、早川、相川、竜太郎

 はっきり言って、現時点ではオーダーの組み方が全く読めない。昨期盗塁王の谷以外はどこがどう入れ替わってもおかしくないというところで、打順はもちろんポジションも正規の登録以外どこにどう選手が動いても不思議ではない状態。

 新加入選手への期待値を重視してオーダーを組んだのは、それだけ昨期のオーダーが固まらなかったということである。昨期の実績はあってないようなものだが、それでもシェルドンや大島のレギュラーを脅かす存在がいない辺りに、現在のオリックス野手陣の深い病理を感じ取ってしまう。

 補強すべきポジションは谷の中堅以外全てと言いたいところだが、悲観ばかりしていてもシーズンを戦う妙案は浮かばない。上がり目の薄い既存戦力より、新加入の選手や実績の乏しい若手に任せてみたいと思うのは、昨年までのオリックスを考えれば自然の心理。特に重要なのは、比較的若い選手の起用に躊躇しないこと。

 主軸を任せたい新外国人2名や山崎への期待値はもちろん高いのだが、守備&走塁職人の平野、超俊足の早川、シュアな打撃が光る後藤といった選手にもチャンスは充分転がっている。首脳陣も今年は腹をくくって、柱になれる人材を根気よく探し、試し、使っていくことが重要だと思うが、どうだろう。

診断…深刻の一言。主軸を任せたい新外国人+山崎がコケれば、昨年の惨状が繰り返されることになりかねない。とにかく色々な選手を使いながら、早い段階で固定化できる選手を増やしていくしかない。今年だけで問題は解決しないから、数年先も見据えた起用を望みたい。矛盾しているが、やるしかない。



<総合分析>
 投手陣は揃っている。山口と大久保さえまともに働けば、それなりの数字は期待してもいいレベル。問題は、野手陣が投手陣に活躍に見合った勝ち星をプレゼントできるか否かの1点に集約されると言っていい。

 昨年のように、最優秀防御率を争った2人で借金7というような状況なら、最下位脱出の光明すら見出せない。とにかく打線の整備。難しいことは百も承知だが、球団の高校生を拒む体質が今の惨状を生み出したのなら自業自得。投手陣が計算できるうちに、ある程度の態勢は固めておきたいところ。



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