月の輪通信 日々の想い
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2006年08月30日(水) 散らし寿司

朝から小学校の草引き奉仕。
アプコとゲンを連れて行き、小一時間運動場の草抜きをしてきた。
アプコ、久しぶりに会う先生、久しぶりに会う友達が照れくさくて、うじうじ引っ込んで一人で草を抜いていたりする。
もうすぐ新学期。
また楽しく学校にいけるね。

帰りにゲンは散髪に。その間アプコとスーパーで買い物。
今日の夕飯は散らし寿司。アプコの自由研究用メニュー。
材料の買出しから調理、盛り付けまでをアプコにまかせてやってみることにした。

おばあちゃんちから大きな飯切を借りてきて、炊飯器をセットしてからアプコの調理開始。
高野豆腐や椎茸人参筍蓮根、キュウリ、ちくわ、カニカマなどの具材をみじん切り。「アプコの思うように切ってご覧」と包丁を任せると、まぁ、みごとな乱切り。硬いキュウリの薄切りはまだアプコには無理だったようで、途中からコロコロキュウリに作戦変更。
扇風機の前で、熱々ご飯にお酢をあわせて。

錦糸卵の指導は、卵名人のアユコの担当。
コンロの点火の仕方から、あらかじめ出来た薄焼き卵を取り出すためのまな板を準備しておく段取りまで、アユコは懇切丁寧にアプコに教える。
最初の一枚を焼いて見せて、「さぁ、次はアプコの番」と手出しをせずにやらせてみる教え方は、これまた私にそっくり。
「初めてにしては結構やるじゃん」と微妙にくすぐりを入れて、アプコの発奮を促すあたり、指導者としては母より一枚上手かも。
焼きあがった薄焼き卵を、錦糸ならぬ短冊に切ってほぼ調理完了。

悪戦苦闘で仕上がったお寿司をお弁当箱にきれいに詰めて、まず、おばあちゃんちへもおすそ分け。
実際にはもちろん、かなり周囲の手が入ってはいるのだけれど、当人はまるで自分ひとりで作ったかのように得意満面。
「あたし一人で作ったよ!」と吹聴して回る。
散々、褒め称えてもらってご機嫌だ。
従業員のNさんにまでお配りする気前のよさ。
(Nさん、アプコを嬉しがらせてくださってありがとう!)

明日、おすしの製作過程を模造紙にまとめて自由研究めでたく終了の予定。

うちではアユコが小学校時代、毎年お料理系の自由研究を作品展に発表してきた。ちょうどアプコの年には、アユコはほぼ毎日朝食に玉子焼きを作って、それはそれはきれいな出し巻き卵が焼けるようになり、その経過や乾燥を母娘でまとめて自由研究にして提出した。
アユコが卒業すると、今度は入れ替わりに入学したアプコのほうに、先生方やよそのおかあさんたちから「今年はアプコちゃん、何に挑戦するの?」なんて声がかかったりして、実を言うと結構プレッシャーかかっていたのだ(親のほうにね。)

アプコは、同じ年のころのアユコほど根気強くはないし、手先もアユコのほどの器用さはない。
上の3人のときと違って、私自身も夏休みにアプコ一人に関わって、纏まったことを学ばせる意気込みがなかなか持続しなくなっている。
だから、正直アユ姉と同レベルの課題はアプコには難しいと思っていた。

けれども、実際にやってみると、結構アプコだからこそ出来たことも多い。
まず、アプコは同じ年のころのアユコに比べると、社交的で人をもてなすのが好き。だから出来たおすしをさも自分ひとりの手柄のようにおすそ分けしておばあちゃんたちを喜ばせてくるのも上手。多分アユコなら、もじもじ後ずさりして、Nさんにまでおすそ分けする人懐っこさはもてなかっただろう。
それから、困ったときにはゲンやアユコなど、母以外の手を上手に借りる要領のよさも明らかにアプコに軍配。
一人で考え込んで泥沼に陥るアユコとはちょっと違う。これはこれで、能力のひとつだなぁと思う。
同じように育てているようでも、やはり子どもというのは一人一人伸び方は違うのだなぁということだろう。


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