月の輪通信 日々の想い
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2005年11月23日(水) 育てたように育つ

昨日、中学校での3年生の懇談のこと。

体育の授業が終わって、男子が着替えている教室の前で、女子生徒が大勢座り込んで教室が空くのを待っている。
「ふぅ〜ん、女の子の方が着替えるのがずいぶん早いんだねぇ。」と近くにいたお母さんに話しかけたら、
「違うのよ、この子達はみんな廊下で着替えをしているらしいの。」という。
聞けば、女の子たちのためには別の場所に更衣室が用意されていて、本当はそちらで着替えることになっているのだけれど、そこまで移動するのが面倒なのか、いつのころからか女の子たちは教室の廊下で着替えているのだという。
「下着や肌が見えないように、うまく着替える方法があるとは言うんだけど、なんだか年頃の女の子たちが廊下で着替えてるってイヤなんだけどね。」と女子生徒のお母さん。
「男の子たちのほうが教室を締め切って着替えをしてるのに、なんか変な感じよねぇ。」
と相槌を打つ。
着替えの終わった女生徒たちは、教室の廊下の床にぺったりと座り込んで、ぺちゃくちゃと楽しいおしゃべりに余念がない。
「あ〜あ、制服のまんまで地べたにすわり込んじゃって、あの子達は平気なんやね、決してきれいな床でもないのに・・・。」
お母さんたちの嘆きは続く。
電車の中でお化粧をする若い女性や、電車の床とかコンビニの前とかに座り込んでる学生も目立つ昨今、どちらも現代の若者の風潮と言えばいえないこともないけれど、なんだかヤダなと思うのはおばさんになった証拠か。

3年生の懇談では、目前に迫った進路決定についてのお話。
ひとしきりハッパをかけられて、なんだか大変そうだなぁとため息をつく。どの家も「うちは全然・・・」といいながら、結構子ども達の受験にお金も手間も掛け、心を砕いているのだなぁとつくづく思う。
「とりあえず、近場の公立へ」「受験勉強は自力で頑張れ・・・」と子どもの自主性と運に任せて放任している我が家では、そうそう高望みしてはバチが当たるなぁと思ったりする。
ただ、懇談の最後に先生方から、近頃は給食当番や掃除当番などがちゃんとできる子が少なくなったというお話があった。そういう決められた役目がちゃんと果たせるかどうかは、学業の成績とは必ずしも比例しないという。
中には箒の使い方も知らないような子もいて、家庭での経験不足が推察される。「うちでは『勉強だけしてたらいい』といわれてるねん。」とあっけらかんとしている生徒もいるのだそうだ。
学校の成績表や内申書に「掃除」とか「給食当番」とかの評価欄ができたら、子ども達はきちんとするようになるのかもしれないねぇと先生方は笑っておられた。

今のところ、学業の成績のほうは伸び悩みのオニイだけれど、掃除や給食当番はサボることはないという。
それはそれで、親がいつも心に掛け、「こう育って欲しい」と思っていることに忠実に実践してくれているという事かとも思う。
やはり子どもというのは、親が育てたように育っていくもののようだ。


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