月の輪通信 日々の想い
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連休中日の今日、小学校は春の遠足。 毎年恒例で、低、中、高学年に分かれて、学校の近くの山に登る。 学校からの徒歩圏内で3通りもハイキングコースを選べる小学校って、やっぱり田舎の学校? でも地域の山にたびたび登って、親しい小道や秘密の岩穴をみつけることのできる子ども時代って、恵まれているなぁと思う。 我が家の前の道を、1,2年生、3,4年生が次々に並んで通り過ぎていく。 玄関先に顔を出してその列を見送っていると、 「あ、ゲンのおかあちゃんや!」と指差す子。 顔なじみの先生達に「行ってらっしゃい」とご挨拶。 遠足のワクワクする気持ちのおすそ分けを頂いて、今日は盛大にお布団を干した。
ところで、遠足のおやつは150円まで。 消費税分はどう計算するんだったか知らないが、とりあえず内税表示になったら買い物がしやすくなったとゲンが喜ぶ。 消費税ったって、あんたが買うのはいつも税のかからない小さな駄菓子屋さん。あんまり影響ないじゃないの。 ・・・という訳で、先日、アユコとゲンを車で少し離れた駄菓子屋へ連れて行く。 「車で駄菓子屋」って言うのも変な話だけれど、我が家の近くにはコンビニはあってもいわゆる子ども相手の駄菓子屋と言うものがない。硬貨を握り締めて、好みの駄菓子を選ぶ楽しさを味わうためには、母の車に乗り込んで遠くの駄菓子屋に流れ込むよりしょうがないのだ。
「今回は絶対買うもの決めてあるねん。」 ゲンは今回のおやつ選びには妙に力が入っていた。 「いつ連れてってくれるの?」とか「どこで買うの?」とか、ことあるごとに聞いてきてうるさい、うるさい。 やっとのことで、出かけた駄菓子屋でゲンが早速かごに詰め込んだのは、いろいろの味の15本の「うまい棒」 「げげ、本気で、それ遠足に持っていくの?」 「そんなにいっぺんに食べたら、のど渇くし、気持悪くなるよ。」 アユコと二人で何度か言ったけど、やっぱりゲンはかごの中身を替えようとしなかった。 変な奴。 どうやら、うまい棒15本が食べたいわけではなく、「遠足に山盛りうまい棒を持ってくるボク」への周りのリアクションが気になって仕方がないらしい。 「僕のお菓子見たら、みんななんていうかなぁ」と何度も何度も訊きに来るので、 「『あほやなぁ』8割、『ええなぁ』2割」 と答えておいた。
「やあ、おもしろかったよ。」 意気揚々と山を下ってきたゲンは、途中で遠足の列を抜けて自宅に途中下車。いったん学校まで帰る道のりを省くために、先生方が毎年うちの子たちの途中下車を認めてくださっている。 「で、うまい棒15本はどうなった?のど渇いたでしょう。」 尋ねると、ニヤニヤと笑ってリュックを開けるゲン。 「いやぁ、いろんな友達に交換してもらったから結構色々食べられたよ。 見てみて、これなんか、うまい棒2本と交換してもらっちゃった。ラッキー!」 おいおい、うまい棒で商売してくるなよ! さすがは「第3の道を行く男」 思いがけない利用法に笑ってしまった。
突飛な行動やいきなり踏み込んだ質問で周りを驚かせ、その反応を見て周りが自分をどんな風に見ているかを試す。 4人兄弟の中間の子らしいゲンの行動。 「あほやなぁ」といわれるなら、それも楽しい。 「ええなあ」といわれるなら、それも嬉しい。 おおらかなゲンの遊びの精神が、母にも楽しい。 どんな大人に育っていくのかなぁ。 「予測不能」がゲンの魅力。 健やかに羽ばたいてくれますように・・・
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