極悪天使...

 

 

詩 - 2002年11月19日(火)

 遠く夢を見る。
寝ても覚めても、なお苦しい。
意識は混沌として、薄皮一枚隔てた全てが無意味だ。
言葉のやりとりを、するけれど。
それが、とても上滑りで。
俺が思ってる事はこんな事ではないと、思う。
言葉を紡ぐのが好きだった。
脳味噌の足りない生物のように、それが気持ちの良い事だった。
難しい言葉も、簡単な言葉も俺の中では詩でしかなく。
毎日それを吐き出して、自己満足を繰り返した。
別にそれを聞いた誰かが、笑おうが泣こうが関係ない場所にいた。
耳から入る全ての言葉が意味をなさない、雑音だった事もある。
不快な音階で何かを詩ってる人を、見た。
俺には理解できなくて、ただ眺めた。
顔を見れば、何か大切な事を言ってるらしい事は伝わった。
でも、言葉は意味をなさい音をしていた。
聞いていて、苦笑が漏れた。
きっと、俺の言葉も誰かにとっては意味も無い不快な音だったに違いない。
幾ら言葉を紡いでも、それが意味をなさないという事を知った。
言葉を紡ぐ事が好きだった。
その行為が出来るだけで、よかった。
それが何かを伝えようとした時、苦痛に変わった。
その苦痛は、俺を苛んだ。
何時しか、言葉を紡ぐ事を放棄した。
俺の中で詩が死んだ。
そのかわり、別の詩が生まれた。
その言葉を紡ぐのは俺ではない。
俺ではない、誰か。
それはか細くて、今にも生き絶えそうになりながら、詩っていた。
俺はそれを羨みながらも、死んだ。
それなのに、また、詩えと言う。
残酷な俺の主が、詩えと言う。
屍を引きずり出して、衆人環視の中辱めようとしているのか。
それとも、俺にしか詩えない言葉を紡げと今更ながら言うのか。
哀れな主が、自分ではもう、言葉を綴れないから助けを求めるのか。
それすら、解らないけど、詩えと言う。
もう、俺にも詩う力など残っていないというのに。
それでも、詩えと主が言う。













 鏡の中に閉じ込められた顔が、主ではなく俺だと気がついた。
哀れな主は、奥底で疲弊して眠ろうとしている。
寝かせるものか。
俺の顔は醜い。
飢えた、生き物の顔だ。
俺の詩は短い。
主よ、一瞬だけ交代しよう。
それが、俺の詩。
主が新しく言葉を綴る為に必要ならば・・・。


...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home