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2010年04月30日(金) インテル戦で感じたすべて


今日会った日本人のダイ・ハードファンのMさんと、昨日のインテル戦について話し合ったこと。どうやら世界中がバルサの敗退を喜んでいるような反応だけど、私たちがカンプノウで見たこと聞いたこと、体験したことが真実なんだ、だからそれだけを大事にすれば誰が何と言おうと関係ないんだよ。





敗退したバルサの選手たちの試合後の表情、反応はどちらかというと落ち着いていて、やるべきことはやり尽くした、といった感じでしたね。こんな時はいつも憮然としているチャビでさえ、試合後にインテルの選手たちと握手を交わし、翌日のプレコンでも「マドリディスタはずっと(バルサがベルナベウで優勝するかもしれない予感に)苦しんでいたけど、やっと解放されたんじゃないか」なんて軽口も叩いていました。あれだけ攻めてもインテルのカテナチオを一度しか崩せなかったのだから、もうお手上げ、というのが正直なところです。

私のシートはゴールの真後ろの二階席。申し分のない場所で、明日年間シートのメンバーカードを返しに行きますが、厚くお礼を伝えようと思っています。私の隣には70くらいのおばあちゃんがいて、最初から最後まで野太い声で言いたい放題声援を送っていました。
自分自身の応援については、もうこの試合のピケと同じくらいやれることはすべてやった。イムノも覚えていったし、その他のチャントはメモ帳に書いて、忙しく捲ったりしてました。もちろん周りの人には(ニコニコ)笑われました

15年前からバルサファンだというMさんは、このインテル戦が自分の観戦経験の中では最高だった、と言ってましたが、私にとっても、CLはアーセナル戦、リヨン戦と見ましたが、間違いなく最高。新聞各紙でも取り上げられ、バルサの選手たちはもちろん、エトオまで「観客は10点満点だった」と言ってくれましたが、ホイッスルが鳴り敗退が決まった後でさえ、イムノを合唱して拍手を送った観客には、自分もそのうちの一人でありながら感動しました。
The Culé fan base refuse to fall into pessimism

So many things that I saw yesterday made me happy to be a Barca fan. Xavi running his heart out to get the ball downfield towards the end of the game. Hearing everyone at the Camp Nou singing at the top of their lungs, even in the 90th minute.
(TotalBarca記事:Visca Barca!

でも、最後の瞬間まで諦めずプレーし、この約2年間最高のフットボールを見せてくれ続けたチームに対して、観客は自然とそうせざるを得なかったというのが実際のところです。二年間休まず走り続けてきた選手たちを労う心境でした。翌日の地元紙も「チャンピオンはチャンピオンらしく散った」「Bravo Brave」など、健闘を讃えていました。


私は幸運でした。TVで見たバルサファンにはたまらない試合だったでしょうから。少なくとも私は、直接インテルの選手たちやレフェリーに文句を言えた。怒鳴り散らしてジュリオ・セーザルのゴールキックの(恐ろしく低かった)精度をちょっとだけ変える手伝いができた、と信じることで自分を慰められた。比較的フェアだった審判に一枚多くカードを出させることができた、と思い込むことでストレスを発散できた。
日本の実況解説ではどんなことを言われたのか、yahooでちらっと「審判がバルサ寄りだった」とファンがコメントしているのを見ましたが、私はフェアな方だったと思いますよ。ミスはあった。モッタの退場は不必要だったし、リプレイで見てもヤヤはハンドをしていないからボヤンのゴールは認められるべきだった。少なくとも、第一戦のミリートのオフサイドゴールがインテルの勝ち抜けを決めてしまったことを思えば、第二戦で笛が多少バルサ寄りだったとしても文句は言えないでしょう。それがホームアドバンテージであり、私ももうジュゼッペ・メアッツァの判定について(言いたいことは山ほどあるが)言わない。

ただひとつ、審判はインテルの選手に明らかに業を煮やしていました。帰宅後、試合の再放送をBarcaTVで見ましたが、国際映像では試合が中断するとリプレイを流して間を繋ぐので、その時実際ピッチでは何が行われているか伝わりませんが、インテルは時間稼ぎに関しては最善を尽くしていました。
その証拠として、公式スタッツによると96分の試合時間のうち、55分が実際にプレーされていた時間で、そのうち43分はバルサがボールを持っていたとのこと。つまりそれ以外の時間帯はなんらかの理由で止まっていたというわけです。
たとえばこんなことがあった。ピケのゴールの直後、いつまでも試合がリスタートしない。なぜならボールのそばにインテルの選手がいない! 自陣に10人入って黙って立ってる。ボールの横に立つ選手がいつまでもボールを蹴らないなら審判もカードを出せますが、"無人"の相手には出せない。バルサの選手たちが審判に詰め寄って抗議をし、のろのろと動き出すインテルの選手たち。ブーイングする観客。その間、国際映像はピケのゴールシーンを繰り返し流していました。

インテルはよく守った。彼らはイタリア流カテナチオがいかに鉄壁かを世界に知らしめたという意味では、監督の手腕とともに脱帽です。彼らは勝ち抜けに値したと思う。でも、あるバルサファンが「世界中が、CLの準決勝で最初から時間稼ぎばかりで一切攻撃に出ようとしなかったチームの勝利を期待し、美しく攻撃的なフットボールという理想主義を最後まで貫いたチームの敗退に歓喜したという無慈悲な現実に失望した。これが、スペクタクルなフットボールで世界中のフットボールファンを楽しませたことに対する返礼とは、残念」と言っていましたが、私も同感です(もちろん、その裏にあるのは“嫉妬”なんだ。だから胸を張っていいことはわかっている)。

思うに、インテルをヒロイックにしてしまったのはモッタの退場でしたね。もしお互い11人同士で最後までプレーしていたら、もっと違う印象の試合になっていたでしょう。少なくとも、一般的に言って今季のCLの準決勝は、リヨンの失態ばかり目立った前日のもう一試合の酷さには遠く及ばないにしても、どちらもあまり楽しめる内容ではなかったですね。


選手たち個々を見ていくと、まずはピケは向こう10年バルサファンのアイドルでい続けるでしょう。Sport紙は彼に10点満点をつけていました(メッシ、チャビは7)。あのストライカー顔負けの執念のゴールだけじゃなく、彼の守備はもう完璧の一言に尽きました。試合前に「インテルの選手にフットボーラーになったことを後悔させたい」と発言し、他クラブのファンからの彼に対するネガティブなコメントも(うっかり)見てしまいましたが、あれはカンプノウに来る観客にそういう雰囲気を作ってくれ、という要請であって、傲慢な発言ではありません。彼はマドリディスタから嫌われているし、チャビと似ていてクラブ愛から少々他クラブのファンから反発を買う(ようにメディアが仕向けている)ことがありますが、おおう、おまえは我々の太陽。カタラン人として、バルサのクレとして生まれてきてくれてありがとう。

モッタを退場に追いやったブシの受け入れがたいパフォーマンスのために、結局我々は代償を支払わされました。PEPも試合後言っていましたが、一人退場になったことで、インテルは篭って守る口実を得た。カウンターさえ狙わない、作シーズン、カンプノウでチェルシーが見せたような戦い方。このクラスに徹底的に守られたら、やはりせいぜい取れるのは1点。とりわけ、相手は引き分けでOkどころか、一点差なら負けでもいい、というunusualな状況では。
とはいえ、インテルもチェルシーもすばらしい選手を抱えたすばらしいチームです。昨シーズンから(あるいはそれよりずっと前から)チェルシーとは因縁がありますが、我々はお互いの強さを認め合ってリスペクトし合うべきだ。バルサにとっての憎いライバルはマドリーとペリコだけで十分です。


ブシにはこの失敗から学んで欲しい。まだ若いですからね。ブシはバルサファンからもいつも苦言を呈されているのですが、カンテラの選手だ。我々はサポートしてやらなければいけない。特にライバルクラブのファンから嫌われる彼やダニのような選手のことは。
リヴァプールのマスチェラーノなどもそうですが、選手としては本当に素晴らしいですからね


イブラは論争の的に。彼の移籍は成功だったのか失敗だったのか? まだ結論を出すのは早いと思う。彼はクラシコなどの大事な試合でも決めてくれています。ただ、インテルやチェルシー、リヨンのようなチームに対処するための、新たなオプションとして彼を迎え入れたという、その目論見は少なくとも失敗に終わった。

途中で入ったボヤンは良くやっていました。彼のステディさは素晴らしいの一言。ペドロの台頭で、彼にこのクラブでの将来はないという結論にあまりにも早く飛びついていた人たちもいましたが、彼はまだ19歳で、年齢に見合わぬ冷静さをすでに身に着けていて、今の状況にも慣れ始めている。出たら結果を出す。ふたたび信頼を得始めています。

ペドロとマクスウェルは力不足。彼らの今季の貢献には最大限の敬意を払いますが、昨シーズンは補強が必要です。
この試合で一番必要だったのは、やはりイニエスタ。

PEPの試合後の態度も、いつもどおり紳士的でしたね。いつか化けの皮が剥がれるのか? なんて思って見てるんですが、本当にどこまでも理想主義者だ。ある意味で、CR9とモウリーニョは自信家で派手で口はばったいところが似ている。そして二人とも本当にマドリーにぴったりだと思う。理想主義を掲げ、カンテラの若者たちを信頼してどんどん起用し、常に相手チームの監督をリスペクトするPEPと、現実主義者で、時には相手を挑発し、自分こそが最高、スペシャル・ワンだと豪語するメディア受けする計算づくの稀代のパフォーマー、モウリーニョ。まったく相反する価値観を象徴する、完璧なコントラスト。来季のリーガはまたさらに楽しみですね。

そのモウリーニョに言いたい。彼が「インテルにとっては夢」と言った時、それは違う、バルサにとってベルナベウは夢だ、と私は思ったものですが、確かに敗退した今思えば、ベルナベウは執念(obsession)だったのかもしれない。でも驚くことに、モウリーニョがバルサを挑発するために用意したこの発言に、なんと我々は今救いを見出しているのだ。夢だったのなら、夢敗れることは辛い。でももしベルナベウが我々にとって単なる執念でしかなかったのなら、CLは翌年も巡って来る。たいしたことじゃないじゃないか! まるでイーリアスの中で復讐に駆られる虚しさにとたんに気がついたアキレウスのようなオチ。おそらく来シーズン、マドリーの監督になるのだろうあなたには二度と言わないお礼を言っておきます。ありがとうモウリーニョ。

これでこの一日で感じていたことはすべて書き尽くしたかな。冒頭に「カンプノウで感じたこと、聞いたこと、体験したことが真実」と書きましたが、つまりはそういうこと。おそらく今日の日記を読んだ方の中には、インテル戦についてまったく違う印象を覚えた、バルサファンではないのでまったく同意できないという方もいると思います。バルサファンでもです。だけど、私は自分の体験に基づいて、自分が感じたことを信じています。

ところで、試合前は入り待ちをして、何百人というファンとチームバスを出迎えました。その映像などはまた今度。私の側はメッシサイドで、メッシがファンに手を振ってくれました

そして今日は、リーガル・バルサ(バスケット)を見てきましたが、面白かった〜。ぼーたんのお友達リッキー・ルビオのカッコかわいさにハァハァ。

リヴァプールもまた準決勝で敗退。延長の頭で勝ち越しただけに、フォルランの一発が決まった時は天国から地獄でしたね…ラファは持ち駒を全部投入した。マドリーファンのパチェコが入ってきた時は、アトレティコが相手だけに若干萎えてしまいましたが、おまえでもいいから決めてくれ、と思いました。

今日はたくさん書いてしまったので、もう終わりにします。
ビジャレアル戦を前にチャビが怪我をしました。心配です。今彼が離脱したら、リーガさえ危ういです。ビジャレアルのフエラには、こちらで会った日本人のバルサファンの男性と行ってきます。

コメントもこちらから。私が旅の途中で撮っただいたいが欧米の風景写真が表示されます(地味に交換してます)




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