てらさき雄介の日記
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2006年09月07日(木) 小田急延伸の前に

先日開催された相模原市議会の本会議で、市長は小田急多摩線の延伸を事業化すると述べた。大分踏み込んだ発言だ。

現在唐木田が終点の小田急多摩線を、JR相模原駅に接続するわけだが、事業化にあたっては、より慎重な検討と住民合意が必要だ。

いくつかの市民団体が、延伸活動をしてきたことは承知している。鉄道路線自体も、ないよりは当然にあった方がいい。

問題は費用対効果だ。小田急電鉄は、運営はするが延伸費用は出さないと、市に対して言っている。つまり延伸の工事費用は、市税をはじめとする税金から出されることになる。

今あるお金で足りるわけはないから、当然に大部分を借金(債権)に頼ることになるのは明白。これ以上の累積債務は、次の世代に対して大きな負の遺産になってしまう。

また京王相模原線が橋本にひかれた現在、都内への玄関口として新しい小田急の駅が使われる可能性も少ない。相模原駅近隣にお住まいの方でも、おそらくは通勤にかかる時間や、橋本が始発であることを鑑み、橋本経由が多くなるのではないか。

では一体どのような層が、そもそも延伸した電車を使うのかということだ。ひとつには、都心の手前である新百合丘など、その途中の地点まで行く人だ。この人数は調査する必要がある。

また延伸されたことによって、逆に相模原にやってくる人もいるだろうが、大切なのはその人数だ。商業的な効果も市は期待しているが、小田急多摩線自体の現状を見れば、よほど相模原で努力をしないと、新たな流入は確保できまい。

更には、新駅建設による駅前のあり方についても、その利用頻度が低ければ、駅を中心に街が空洞化してしまう恐れもある。

他にも多くの検討事項がある。必ずしも反対しているわけではないが、大規模事業の割りに、非常に安易に進んでいることが心配だ。専門家や、地域住民を含め、より広く意見を聞くべきだ。

これから事業計画をつくるわかだが、ほとんど全ての議員や候補者は、賛成で「やれやれ」だろう。だからという訳ではないが、慎重な立場で検討や発言をしていきたい。

大きなポイントは3点。
1、借金(債権)の発行額をどれだけ抑えられるか
2、工事が短期で完了できるか
3、延伸によって相模原市内への集客が予測できるか




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