てらさき雄介の日記
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2005年10月09日(日) 北朝鮮報道で感じた憤り

TBS“報道特集”で「カメラが見た北朝鮮」をやってました。

最初から最後までじっと見ていましたが、多くの疑問を感じたので記します。いや疑問ではなく、憤りと言っていいかもしれません。

視点が少し厳しすぎるかもしれませんが、“報道特集”は硬派のとても良い番組です。在宅時はほとんど見ています。だからこその意見です。


【1、番組自体に意味がない】

北朝鮮は原則誰でも旅行が出来ます。かくいう私が数年前に旅行したのも特別ルートで入国したわけでなく、通常の旅行代理店に頼みました。
 
今回記者が同行取材したのは“中朝国境ルート”と言われる通常の旅行コースで、中国人が毎日のように行き来しています。あえて映し出すほどものではありません。


【2、明らかな誇張】

走っているバスの中からカメラと回すと、道路で寝ころんでいる人がいます。するとテロップで「道ばたで倒れている人が」と出ます。

これには驚きです。外国に限らず日本でも道路で寝ている人はいます。テレビに映った人もその例外には見えませんでした。


【3、北朝鮮人への話かけ方が失礼】

ツアーガイドに「ボーイフレンド」はいるの?とカメラを回しながら聞きます。こんなこと日本でやれば‘セクハラおやじ'です。

また海岸で遊ぶ子供が、旅行者にびっくりして逃げようとすると、「お菓子をあげるから逃げないで」と声をかけます。何という話かけ方でしょう。大変失礼です!


そして以下が最大の問題です。

【4、一般の北朝鮮人に対しては慎重に取材すべき】

上で書いた子供との会話も、ツアーガイドとの会話も同じです。取材(?)にはもっと気を遣うべきです。

北朝鮮人は外国人との接触は禁止されています。エリートの旅行ガイドですら、監視員が付いていると言われます。多くの中のワンフレーズであっても、それがテレビに映し出されることによって、彼らにどんな火の粉がふりかかるかわかりません。

安易な日本人記者は、社会状況について質問していましたが、そんなことを聞いて答えられるはずがありません。また期待するような答えが返ってきたら、その人はそれこそ‘処罰’されます。

私は旅行中に北朝鮮の人と色々な話や体験をしましたが、それを過去記していないのは、安易に書いたことが巡り巡って、彼らの不利益になってはならないと思うからです。

独裁政権は悪虐でも、そこに暮らす人々と接するには気を遣うべきです。


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