映画「アリス・イン・ワンダーランド」と鏡の国のアリス |
2010年04月25日(日) |
映画「アリス・イン・ワンダーランド」(3D字幕)を観てきた。 この映画は予告編を観た一年前くらいからずっと観たくって、 公開を待ち望んでた映画なので、やっと観れて嬉しい!!
ディム・バートンよりもジョニー・デップよりも何よりも、 原作者ルイス・キャロルの文章とアリスの世界観が好きなんです。 「不思議の国のアリス」よりも「鏡の国のアリス」の方がもっと好きで、 マザー・グースのキャラクターや言葉遊びなんかが散りばめられてて、 (子供の頃マザー・グースの童謡で育ったのでグッとくる) 言語学好きにはたまらないくらいの、翻訳者泣かせのセリフや チェス、言葉遊び、なぞなぞ、などの文章が奥が深すぎて面白い。 昔、2005年の日記でお勧めした「ルイス・キャロルの意味論」 (アリスの原文を論理学的・意味論的・語用論的に解読してます!) なんかも興味深いし、大学の「翻訳論」の授業では鏡の国のアリスの 訳し方の違いについて取り上げてレポートを書いたりして、 原書や翻訳者が違う鏡の国のアリスの本もそれぞれ持ってるし、 (翻訳者によって言葉遊びの訳し方が全く違うので比較すると楽しい) ともかく、もう一回言うけど、言語好きにはたまらない!!のです。
以下参考リンク 不思議の国のアリス(原書&翻訳セット) 不思議の国のアリス(原書) 鏡の国のアリス(原書) 不思議の国のアリス(翻訳) 鏡の国のアリス(翻訳)
ということで、前置きが熱くなりすぎましたが、ここからは映画の話。 以下多少ネタバレありです。
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映像が綺麗だった。キャラクターも特徴的だし。 赤の女王とか、さすがというか、印象的で面白い! でも、おなじみジョン・テニエルの挿絵に慣れ親しんでるので、 アレンジされたキャラクター造形に違和感を感じることも。 特にトウィードルダムとトウィードルディーがイメージと違う! 帽子被ってないし、しわくちゃの顔がなんかのっぺりしてるので、 むしろハンプティダンプティみたいに感じた(混ぜたのかな) あと、ジャバウォッキーが!「ゴジラがGODZILLAになったとき」のような、 あれ、こんなハリウッド的なキャラだっけ、と個人的に思ったり。
とはいえ、ワンダーランドに落ちて最初に Rocking-horse-fly や Snap- dragon-fly が飛んでて、 わ〜〜あれはまさに!!とテンション上がる。 帽子屋が歌う"Twinkle, twinkle, little bat!"の歌とか Chess,you dog!、Good-bye,sweet hatなんかの言葉遊びは健在。 Mで始まる言葉は、字幕でうまいこと翻訳されていた!
チェシャ猫が可愛すぎる。 くるくる回りながら消えたり出現したりのシーンはまさに CGならではって感じで、あの愛くるしさにときめきました。
最後にジョニー・デップ扮するマッド・ハッターが踊り出すシーンは 「え、これはもしや、マイケル・ジャクソン!?」なんて思っちゃった。
全体としてのストーリーはちょっと物足りない感じがするものの、 ティム・バートンならではの相変わらずの独特の世界観があって、 映像が鮮やかで綺麗で、なかなかでした。
原書読みなおしたくなってきたなぁ。 |
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