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■ レストラン
懐かしいような不思議な匂いにつられて、彼女は そのレストランに入っていった。古めかしい木製の ドアを開けると、中は思っていた以上に広いことが わかった。室内の照明は雰囲気を出すために薄暗く してあったので、中の様子は入り口からだとよく わからない。
後ろ手でドアを閉めた彼女は、目を慣らすために数秒 目を閉じたあとに、じっと暗い室内を見渡した。部屋は レストランにしてはこざっぱりとしていて、余計な ものはすべて排除されているようだった。上品な白を 使った壁紙には、1つの絵も掛けられていなかった。 木製のテーブルは1つ1つがやや普通のものよりも 大きめで、いかにも頑丈そうにできていた。
しばらく彼女はその場に立ち尽くして誰かが奥から 来る気配をうかがっていたのだが、部屋の空気は全く 動く様子もなかった。彼女は仕方なく1つのテーブルに 腰掛けた。座り心地のいい、上等な椅子だった。
少しの間、彼女は机をコツン、コツンと叩いたり店内の 簡素なインテリアを眺めていたのだが、店のものは 一向に現れる気配がない。ふぅ、と特に理由のないため 息をはいた彼女の耳に、ふと誰かの話し声が聞こえた。 気のせいかと思い、息を殺して耳に集中すると、やはり どこかから話し声が聞こえる。なんだ、やはり店員はいる のだ。
すみません、と店の奥に向かって声を掛けてみる。 短い沈黙。なんの反応もない。しかし、話し声のような ものは続いている。もう一度、今度は少し大きな声で 店員を呼んでみたが、やはり誰も返事をしてくれない。
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疲れたのでここまで。続きはないです。 後味の悪いエイプリルフールの日記でした。
2003年04月01日(火)
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