ALC ビル リフォーム -★-

 

 

ねことおやつ
   
 

2004年10月09日(土) ★ ゆげ、しろい。

昨日からの雨。
今年最大級の台風が上陸しつつあるというのに
今日飛行機でママが家に来るのだ。

雨なのだが窓を開け放ち掃除機をかけチョイと物を移動し、
風呂場と洗面所をダーが掃除して
私はお手洗いを掃除した。

いろいろ済んで、グラタン作ってる私に
「ちょっとー、遊びに行ってこようかなあ?」
と、ダー。

ダーってば、いつもこうやって中抜けするのだ。
最初から最後まで一緒にいてくれるという事が、ないのだ!
物事のコロアイを見計らって帰ってこればいいや。という考えなのだ。
些細なことであれ、ひとつの行事を一緒に堪能するという意識がないのだ。

私は断固反対した。
ダーは断念した。


例えば私が妊娠なんかして。
体は重いし情緒不安定だったりするしで動けなかったりする時も、ダーは私を置いて遊びに行くんだろう。(何もすることがないから、つまんない)とか思って。何か手伝って、と私が具体的に言わなければ きっと何もしてくれないんだ!何もしてくれなくても、一緒に居てくれるだけで全然違うのに、きっとこうやっていなくなるんだ!!!産まれる時だけ、駆けつければいいや・と思ってるんだ!!

…とか、言ってみると「そんなことないよ!」とダー。
むむむ。それはどうかな?(疑)

考えてみると この人との結婚って、
かえって私が独りになるだけなんじゃないか・なんて思えて。
あー・私大丈夫かしら なんて思った。



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ダーのグラタンが焼きあがって白い湯気が糸を引く。
ホカホカ。

そこに電話。
「…にお通夜で、10時に安中教会。わかった。」
それからいろんな人に電話しまくる、ダー。
皆に連絡事項を伝えている。

ダーは電話を切ってはかけ、きってはかけていた。
私の前でダーのグラタンの湯気が色を失っていく。

話から察するに、
ダーのお友達が昨日お亡くなりになられたのだった。
癌だった。


とうとう私のグラタンも焼きあがってしまい 私とダーの間に食事が揃った。
私は先に食べはじめようとしたけれど 熱すぎて食べれなかった。

静かな部屋に雨が降って、
しろい湯気がたっている。


「…ちゃんの事、聞いた?亡くなったんだって。…理由?しらないよ。
 通夜が自宅で、次日の10時に安中教会。」

同じセリフを何度もくり返すダー、私はダーの声の中でいろいろ考える。
ひとの儚さとか、私には計れない記憶たちとか。
この若さで。とか。
ダーのお友達が亡くなってしまったなんて。
ダーの悲しみを思うと、何かがこみあげて泣いてしまいそうになった。
ダーが泣いてないのに 泣く事なんてできない。


程よく冷めたグラタンをふたりで食べた。
少しだけ、その子のお話をした。

  泣いてもいいんだよ、

と 言ってあげたかった。
でも私は何も言わなかった。



   グラタンは味が濃くて、重たい。





しばらくして、

「ちょっと、出かけてきて、いい?」

と、ダー。

私は

「ちゃんと帰ってきてね」

と言った。



今日、これから雨が風がひどくなるけれど
それは、
この悲しい別れにまつわる人々に優しい出来事だろうと思った。









              お亡くなりになられた方の
              ご冥福をこころよりおいのりもうしあげます。



















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飛行機は欠航。
明日来る事になりました。

明日はママの誕生日なの。





父長崎人+母福岡人=純血の九州オンナ、福岡に産まれ、
関東→京都→佐賀→京都→横浜→群馬と流れてます‥

レイ 

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