昨日からの雨。 今年最大級の台風が上陸しつつあるというのに 今日飛行機でママが家に来るのだ。
雨なのだが窓を開け放ち掃除機をかけチョイと物を移動し、 風呂場と洗面所をダーが掃除して 私はお手洗いを掃除した。
いろいろ済んで、グラタン作ってる私に 「ちょっとー、遊びに行ってこようかなあ?」 と、ダー。
ダーってば、いつもこうやって中抜けするのだ。 最初から最後まで一緒にいてくれるという事が、ないのだ! 物事のコロアイを見計らって帰ってこればいいや。という考えなのだ。 些細なことであれ、ひとつの行事を一緒に堪能するという意識がないのだ。
私は断固反対した。 ダーは断念した。
例えば私が妊娠なんかして。 体は重いし情緒不安定だったりするしで動けなかったりする時も、ダーは私を置いて遊びに行くんだろう。(何もすることがないから、つまんない)とか思って。何か手伝って、と私が具体的に言わなければ きっと何もしてくれないんだ!何もしてくれなくても、一緒に居てくれるだけで全然違うのに、きっとこうやっていなくなるんだ!!!産まれる時だけ、駆けつければいいや・と思ってるんだ!!
…とか、言ってみると「そんなことないよ!」とダー。 むむむ。それはどうかな?(疑)
考えてみると この人との結婚って、 かえって私が独りになるだけなんじゃないか・なんて思えて。 あー・私大丈夫かしら なんて思った。
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ダーのグラタンが焼きあがって白い湯気が糸を引く。 ホカホカ。
そこに電話。 「…にお通夜で、10時に安中教会。わかった。」 それからいろんな人に電話しまくる、ダー。 皆に連絡事項を伝えている。
ダーは電話を切ってはかけ、きってはかけていた。 私の前でダーのグラタンの湯気が色を失っていく。
話から察するに、 ダーのお友達が昨日お亡くなりになられたのだった。 癌だった。
とうとう私のグラタンも焼きあがってしまい 私とダーの間に食事が揃った。 私は先に食べはじめようとしたけれど 熱すぎて食べれなかった。
静かな部屋に雨が降って、 しろい湯気がたっている。
「…ちゃんの事、聞いた?亡くなったんだって。…理由?しらないよ。 通夜が自宅で、次日の10時に安中教会。」
同じセリフを何度もくり返すダー、私はダーの声の中でいろいろ考える。 ひとの儚さとか、私には計れない記憶たちとか。 この若さで。とか。 ダーのお友達が亡くなってしまったなんて。 ダーの悲しみを思うと、何かがこみあげて泣いてしまいそうになった。 ダーが泣いてないのに 泣く事なんてできない。
程よく冷めたグラタンをふたりで食べた。 少しだけ、その子のお話をした。
泣いてもいいんだよ、
と 言ってあげたかった。 でも私は何も言わなかった。
グラタンは味が濃くて、重たい。
しばらくして、
「ちょっと、出かけてきて、いい?」
と、ダー。
私は
「ちゃんと帰ってきてね」
と言った。
今日、これから雨が風がひどくなるけれど それは、 この悲しい別れにまつわる人々に優しい出来事だろうと思った。
お亡くなりになられた方の ご冥福をこころよりおいのりもうしあげます。
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飛行機は欠航。 明日来る事になりました。
明日はママの誕生日なの。
父長崎人+母福岡人=純血の九州オンナ、福岡に産まれ、
関東→京都→佐賀→京都→横浜→群馬と流れてます‥
レイ
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