ALC ビル リフォーム -★-

 

 

ねことおやつ
   
 

2003年06月01日(日) ★ みおろす星に降るこだま

わー。引越先、とっても 陽があたるぅ。
先住者さまよき取り計らいを とってもありがとうなんです。
紅茶でもぷかぷか、ああなんだかゆっくりできます。
私を生かしてくれてありがとう。
今後ともよろしくね。

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居酒屋「ミーちゃん」の閉店時刻を迎え車に乗ったら
王子が「なんか帰るの勿体無いからドライブしたい」と言った。
それで私とダーと王子とで 榛名山を目指した。

私たちは なんだかうきうきしていた。


   さっき、決まった思いつきの魔法だ。

     明日スタジオ集合。

   ダーは明日の朝 ホコリたまる奥の部屋から、眠りっぱなしの
   ベースの重たく黒いケースを引っぱり出さなくちゃいけない。
   王子はギターをもってやってくる。
   そして今日はいないドラムの子がくる。

   この3人は高校時代からの音を含めたつきあいなんだから
   多分息がぴったりなんだろうな、というか
   ダーは 楽器と好きな人とスタジオがとっても嬉しそうだった。
   私は、そんなダーを嬉しいと思ってワクワクした。


何かがはじまる、そんな予感に包まれて 私たちはどんどん走った。


榛名山は これココにしかないと思うんだけど
麓から頂上まで一直線で登りきるような急斜な道が引かれている。
それをぐんぐん登るとバックミラー背後の遠くに 赤信号が小さくちいさくいつまでも点滅していた。
「ぼく前をみるよりすぎてゆく道を見る方が好きだな」と王子が言った。
王子は後ろの席でどんどんすぎてゆく闇を見ていた。
私も自分の通ってきた道を見るのは好きな方だと思う。
それを味わうため 振り返りがちに前へと進む。のしのし。


榛名山は急な斜面を登りきると人造湖があって、その少し上が高台になっている。
いつも、そこを目指す。今日も。



街灯ひとつない誰もいない静かで真っ暗な高台から、街を見下ろすと 曇空の下にビーズをちりばめたみたいな すこし地味な夜景が広がっていた。

きれいだった。
私は群馬の中でここがいまいちばんすきなんだ。




三人で こだま で遊んだ。
音響効果がばつぐんで高音であるほど より響く。
これが本物、と思った。

ホ− とか 賛美歌みたいなのとか インディアンのまねとかやってたら、
暗闇の遠くで 目を醒ました鳥が鳴いた。
私たちは声が返ってきたので嬉しくて、調子に乗って こだまを歌っていたら
鳥はなにか話してきた。とってもかわいかった。
私たちはしばらく鳥とお話しした。



オンボロの軽自動車の屋根に三人で並んで座った。
屋根はベコ。と音をたてたけど、
そこから見える景色は すばらしかった。この瞬間も。

疲れてたあのこ も連れてきたかったな。と思ったとき、王子が言った。
「折角来てくれたんだからこんなところに連れてきてあげたらよかったのに」
そしたら、総てはちっぽけで 私たちは素晴しく自由だと歌うができただろうか。
人間の描く華やかでビックな世界の輝きよりも この視界下に広がる空と街と、このちいさな夜景の方がキラキラきれいで これを泳げたら楽しいだろうと思った。また会えたらいいな。こんな海の上で。

たぶん あれが最後じゃない。
あのこは また夢を自在に描けるだろう。
それから 私たちはまた会える。
これから 楽しいことが始まる。




    確信に近い予感が 真の闇の中に
 
           たくさん 降っては音をたててた。




それから好き勝手な道を通ってはダーを困らせながら王子を家まで送った。
辿り着き、明日ね、と手を降って別れたらダーは助手席で眠ってしまった。

私は夜道をひとり運転した。

まっすぐおおきな景色を目指して登る。その先は素敵な夜だった。
なんとなく 私たちの未来を暗示してるみたいで いいな。
これからが絶対的にそうだったらいいなと思う。



父長崎人+母福岡人=純血の九州オンナ、福岡に産まれ、
関東→京都→佐賀→京都→横浜→群馬と流れてます‥

レイ 

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