sizukuの日記 sizuku 【MAIL】【HOME】
- 2002年03月24日(日) リリーとまみちゃん(ノンフィクション)
とおい とおい昔のお話です
あるところに 雲の国がありました
その雲の上にはたくさんの動物達が住んでいました
動物達を取りしきっているのは 動物の王様、ライオンでした
雲の上からは未来が見えるのです
地上に住む子供達の未来が。
王様はある一人の女の子を見つけて思いました
「この子にはパートナーが必要だ」と
王様は国の中でも一番利口で、優しいリリーという犬を呼びつけて言いました。
毛並みがいい、心の優しい利口な犬でした。
「リリーよ、地上を覗いて見ろ。あそこに女の子が一人いるだろう?
あの子はな、これから先、とても重い病気にかかるのだ。
だからお前が一緒に手助けしてやってくれないか?
あのこのずっとそばにいて一緒に暮らしてやってくれないか?」
リリーは迷いました。
何故って、ここの雲の上の世界が大好きだったからです。
みんなでずっとずっと一緒に遊んでいたいなあって思っていたからです。
悩んでいるリリーに王様は
「お前にしかできない事がきっとあるはずだ。よーく考えてみてくれないか。」
そう言いました。
一晩考えたりリーは、王様に報告しにいきました。
「王様、僕、あの子の手助けに行って来ます。何が出きるかわらないけど
でも、行って来たいんです。」
王様は言いました。
「リリー、よくぞ決心してくれた。気をつけて言ってくるがよい。
だがな、1つだけ約束があるのだ。」
「約束とはなんでしょう?」
「お前は犬だろう?犬はな、人間のまえでは喋らない生き物と決まっておる。
だから何があろうとも、絶対喋ってはならぬぞ。」
「はい、分かりました。行って来ます。約束は必ず守ります。」
リリーはお気に入りのピンクのリュックサックに
サツマイモのから揚げと、雲の国特製の高級チョコレートを
白いハンカチに大事に包んで出発する事にしました。」
ライオンの王様は雲の上から魔法をかけて人間には見えない透明な
白いハシゴを地上までたらしました。
柔らかくてゆらゆら揺れます。
とても危険な仕事です。
リリーは雲の上のみんなに行って来ますを手を振って告げてするすると
そのハシゴを下りていきました。
三日見晩、途中途中休みながらリュックの中のチョコレートや
大好物のさつまいものから揚げをたべたべ、三日目の夜中にようやく
地上に降り立ちました。
リリーはまだ生まれたての子犬でした。
ずるずるとどこからかダンボールを引きずってきて
その中に入っていました
お日様がちょうど空の真中を指したとき、
あの女の子がリリーを見つけました。
おんなのこの名前はまみちゃんといいました。
まみちゃんは、お母さんにせがんでリリーを飼ってもらえることになりました。
まみちゃんとりリーはいつも一緒でした。
田んぼでおたまじゃくしを取るときも
絵本を読むときも
蝶々を捕まえる時も
ご飯を食べる時も
寝る時も
りリーは思いました
「本当にこのこは病気になるんだろうか?
こんなに元気なんだ、きっと王様の言っていたことは勘違いだろう。」
そんなこんなしているうちにまたたくまに二年の歳月がたちました。
それでも、湖の輝きも、美しいお花畑のいい香りも、みずみずしい草々の
緑の濃い色も、小鳥のさえずりもいつもと変わらず笑っているように
ほのぼのたたずんでいました。
ところがそれから三日後、恐れていた事がおきてしまいました。
まみちゃんは王様の言っていたとおり病気になってしまったのです。
お医者さんが、外に出てはだめだよ。と言っていたのを
リリーはしっかり聞いていました。
だからいつもベットのそばで寝ているまみちゃんのそばで
ずっとずっと笑って支えていました。
それでも心は悲しくて気持ちのやり場がありませんでした。
それでもせいいっぱいリリーは笑顔でいました。
まみちゃんはりリーがいつもそばにいたので
安心していつもベットに横になっていました。
それでも、時々苦しくてリリーに聞こえないように
お布団を頭からかぶってしくしく泣いていました。
まみちゃんがあまりにも辛そうなのでリリーは
王様と約束した「言葉」を使ってしましそうになリ、
その思いをぐっとこらえました。
それでもりりーはその事もちゃんと知っていました。
だからリリーはずっとそばにいてあげないとって思いました。
まみちゃんの病気は、三年後、ようやく治りました。
まみちゃんは嬉しくて嬉しくてリリーと一緒に湖に遊びに行きました。
湖をのぞくと、にっこり笑った小さい可愛いまみちゃんと
しっぽがふさふさの優しいりリーの姿が映りました。
まみちゃんは言いました。
「リリー、いつもそばにいてくれてありがとう。
病気が治ったのはリリーのおかげだよ。これからもずっと一緒だよね?。」
リリーも嬉しそうにしっぽを振りながら深くうなづきました。
それから何日かたって、まみちゃんによくない出来事が起こりました。
みんなみたいに元気じゃないのです。
それは病気のせいでした。病気は治ったのだけど、体がだるくって
外に遊びに行けないのです。
みんなとも会えません。
まみちゃんは悲しくって悔しくって泣いてばかりいました。
泣いても泣いても涙は止まりません。
どうして私だけこんなになっちゃったんだろう。
みんなと一緒に遊びたいのに。
私なんにも悪い事してないのに。
あふれる涙をリリーは一生懸命ぺろぺろなめました。
それでもまみちゃんは悲しくって
お家の中に閉じこもるようになってしまいました。
リリーが「一緒に遊ぼうよ」
と誘ってもしてもまみちゃんはそっぽを向いたままでした。
まみちゃんはリリーに聞きました。
「なんで私だけなの?なんで私だけ、みんなと違うの?
私だってみんなと同じに元気になりたいよう。
リリー、助けてよう。」
何度も何度もまみちゃんが繰り返し聞くので
泣きじゃくるまみちゃんに、リリーはとうとう言ってしまいました。
「まみちゃん、頑張れ、強くなるんだ。」
まみちゃんはびっくりしました。
だって仲良しのリリーがいきなり喋ったからです。
「リリー?あなた喋れるのね?」
リリーはゆっくり答えました。
「そうだよ。僕は喋れるんだ。雲の上に住んでいて、王様からまみちゃんと一緒
に暮らす様にって頼まれたんだよ。」
「そうなの?じゃあ、これからもずっと一緒にいられるのね?
明日、私ケーキを焼くから一緒に食べましょう?」
「そうだね、一緒に食べよう。まみちゃんの作るケーキ、最高だもんね。」
まみちゃんは元通り元気になってその日はわくわくしながらベットに入りました。
次の日、まみちゃんがベットから起きあがるといつも隣で寝ていた
リリーの姿が見当たりません。
ビックリしたまみちゃんはそこら中を探しました
ベットの下、窓の向こう、カーテンのかげ。
どこにもいません。
まみちゃんは体がだるいのも忘れて駆け出していました。
もしかしたら前に遊びに行った湖にいるかもしれない。
まみちゃんはやっとのおもいで、湖のほとりにたどり着きました。
ずっと前に二人で遊びに来た場所です。
広い広い広い湖をそっとのぞき込みます。辺りはもう薄暗くなっていました。
まみちゃんの瞳から一粒涙が湖の中にこぼれ落ちました。
水面が輪を描くように揺れました。
するとどうでしょう。揺れていた水面が静かになってリリーの顔が
映し出されました。
それは雲の上から見ていたリリーの優しい笑顔でした。
前のようにリリーとまみちゃんの顔が並んで映っています。
でもどこか寂しげです。
どうしてなんだろう?リリーはどこに行ったんだろう。
深く深くもっと深く水面をのぞきながらまみちゃんはもっと泣きそうになりました。
するとどこからかリリーの声が聞こえた気がしました。
そして・・・
「ごめんね。僕、人間と話をしたらだめだって王様から言われてたんだ。
話をしたら僕、もう1度雲の世界に戻らなきゃいけないんだ。
いつまでもまみちゃんが悲しそうな顔してたら僕心配だよ。」
水面に映ったりリーはそうまみちゃんに伝えました。
雲の上に戻ったリリーは王様に言いました。
「王様、ごめんなさい。僕、まみちゃんに何もしてやれなかった。
それに王様と約束していたおきてまで破ってしまった。
でも、まみちゃんが心配で・・・だから。」
リリーの目からも大粒の涙がこぼれおちました。
王様は微笑みながらこう言いました。
「いいか、リリー?まみちゃんはな、リリーがいるだけで幸せだったんだぞ。
そばにいるだけで勇気づけられたんじゃ。それをあの子は感じ取っているはずじゃ。許せ、リリー。私はお前が口に出してあの子を勇気付ける事を
初めから知っていたのだよ。」
まみちゃんは思い出しました「頑張れ!強くなるんだ」と言われた事を。
強くなろう。まみちゃんは心に誓いました。そじて片腕で寝れた涙をぐっとぬぐいました。
まみちゃんはもう一人じゃあ、ありません。
目を閉じればいつでも隣にリリーがいるのです。
まみちゃん、どんなステキな女の子になるんでしょう?
それは雲の上の王様も、リリーも、そしてまみちゃんさえも知りません。
静かな静かな夜でした。
気持ちのいい夜でした。
リリーはもう心配なんかしていません。
だってまみちゃんはもう強くなったのです。
頑張ろうって決めたのです。