クッキーを貰い、今夜は本物の夜空を展望台で 二人肩並べ手を握り温もりを分かち合い眺める。 七夕をまた二人で視られるといいなと話していると、 有星が1年に1度の出会いじゃ記憶が薄れおぼろげになるねと云う。
俺は・・・そんなコトはあり得ないと感じた。 本当に愛していれば、どんなに時がその愛を隔てようとも あの人との想い出を忘れたくとも、忘れることは出来ない。 でなければ、こんなに千尋を愛してはいられまい。 だからこそ何処で今頃なにしてるか分からないあの人を、 またくだんないこと、ぐちゃぐちゃ云いながらしてんだろなー とか想い自然と弛む頬を俺は押さえられないのだろう。 あの人と一緒にいたのは僅かな期間。 今でも、年に数度しか逢わない。 でも俺はその短い時間の愛を忘れることなんて出来ない。 狂おしいくらいに千尋が好きだ。愚かなくらいに千尋でないと意味がない。 そして、ソノ記憶故に俺は愛する人とはつきあえない。 もぅ失う悲しみは知りたくもない。 あんなに辛い想いは二度とごめんだ。忘れたくても忘れられない。 其れが愛なのだろう。
そんなことを考えながら部屋で疲れ 可愛い嵐の戻りを待ちつつ嵐がくれたボトルワインを飲み空ける。 ・・・・・・・・桜よ、早く咲け。
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