んーンー綺麗なヒトを通りがかりの非常階段で見つける。 ヒトの入れ物も美しければ、内面も美しいヒト。 綺麗なヒトと、月を語り、雨を説く。
現国の三ッ國(ミツクニ)先生。 ちょっと昔つきあっていた当麻調。 俺ほど自分に割り切っていなく、ちょっと繊細で、でも弱くもなく、 ケド少し脆い、そして結構それなりにあきらめがちに自分スキ。 で、多分ヒトという生き物にそんなに物事を求めていない。 いや敢えて、求めようとしないようにしているのだろう。
俺も大概、愛想いいわりに適当だけど違う。 俺はヒトという生き物が好きで、ヒトに対して好奇心旺盛だ。 正直、ちょっと他人という固体には関心が薄い部分もある。 だから名前も覚えられないし、識別も結構怪しいのだろう。
三ッ國先生みたいなタイプにとって、多分俺の存在はいい結果を生まない。 綺麗なものが好きな俺は、惹かれるし触れたくなる。 けれど中途半端な動悸は傷つけてしまうことになる。 だから深入りしてはいけない。彼も容易に扉を開けはしまいだろうが。
斯くも、美しいものはどうして月夜の様に ヒトをこうも乱し虜にせんと引き寄せるのだろうか。 きっと俺は、あのヒトをみかけたら今後自然と声をかけ よっていってしまう自分を止められまい。
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