私と彼の甘えた関係

2005年03月04日(金)

家に帰ってきてご飯を食べて、ダラダラしているうちに、

いつの間にか眠りについてしまう。

これは以前からの彼の癖。

一度寝てしまうと、電話がかかってきてもビクともしない。

12時ごろ、そして、12時半ごろ、自宅に連絡を入れてみるものの、

留守電が虚しく応答するだけ。

携帯には電話をしない。どうしてだろう? 分からない。

きっとまた眠ってしまったんだ。

溜息をついて、私は浴槽にお湯を溜める。

心に芽生えた失望に気付かないフリをしながら。



ベッドの上に横になりながら、本のページを捲る。

堕胎をした女の子が、少しずつ再生していくお話。

ハードカバーを1日で読みきってしまった私は、

妙な達成感を抱きつつ、閉じた本を手に持ったまま、思いを巡らす。

今日のコト、本のコト、明日のコト、彼のコト。

突然、携帯の着信音がガランとした部屋に鳴り響き、

驚いた私はビクンと身体を震わした。

彼の着信音だ。

飛びつくように通話ボタンを押す。

受話器の向こうからは、聞きなれたダーリンの声。

「今まで残業だったんだ。何でこんなに時間がかかったのかなぁ」

その声には、少しの甘えが含まれていて、途端に嬉しくなる。

私は彼を甘やかすのが、大好きだ。


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