寝ても覚めても

2005年03月03日(木)

昨夜の電話は最悪だった。

否、昨夜の電話は最悪の切り方だった。

それまでの楽しい会話も、どこかへ飛んでいくくらい。

私は「ごめんね」を3回言った。

ダーリンは「ううん」を3回返した。

慌しく通話終了のボタンを押した後、

私はそのままゴロンと仰向けで寝転がる。

しばし呆然とした後、自然に溢れる涙。

悲しくなんか、ない。

悲しむ必要なんか、ない。

そう言い聞かせて、一瞬目を閉じた後、

ふうっと息を吐きながら、勢いをつけて起き上がる。

今日は眠るのだ。

何も考えずに、ぐっすりと。



数時間後。息苦しい夜が明けて、

私は何事もなかったかのようにダーリンに電話をかける。

受話器から聞こえる彼の声が、心なしか固いような気がして、

ついつい問い掛けてしまう。「怒っているの?」。

すぐに彼は答える。「昨日の事?」。

うん。

どうして?

なんとなく。

怒ってないよ。

いつもよりも優しい声色に聞こえるのは、

気のせいなんかじゃない。




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