ダーリンの顔が上手く思い出せないの。
こういうことって案外よくあることで。
好きな人に限って、顔の部分がぽっかり空洞になってしまう。
根が薄情者だから?
思いだす暇もないほど、あなたの顔を見られたらいいのにね。
距離が遠い気がするーって冗談っぽく言ったけど、ホントのところ真実。
ダーリンが知らない人みたいに思えてしまうんだ。
何でそんなことを言うの?ってダーリンは寂しそうにしていたけれど、
理由なんて私にだって分かんない。
でも、どうしても、手が届かないんだもん。
仕方が無いじゃない。
不安だからこそ、いつもよりもたっぷり褒めてみる。
そんな邪な気持ちを抱えてるんだ。いつだって。
拗ねてなんて、居られない。
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