「さよなら」は愛の言葉

2004年07月11日(日)

ダーの傍で過ごした3日間。

途中で大きな喧嘩を一度だけした。






トイレに入った時、長い髪の毛が落ちていたり。

見覚えのない歯ブラシが置いてあったり。

私と行った場所を忘れていたり。

記憶の無いメールの話をされたり。

そんな幾つもの些細な疑惑を、

ダーにぶつけてしまった。

今、冷静に振り返ってみると、

どれも説明の付く事柄なのだけど。

その時の私は、不安に押しつぶされそうだった。





何度か日記にも書いたかもしれないけれど、

私が過去に付き合った人たちは、

皆(ほとんど)浮気をしていた。

そのまま本気になってしまった場合もあれば、

性懲りもなく繰り返す人もいた。

この時に感じた痛みが、緩和することはあったとしても、

忘れることは一生出来ないんだと思う。

それを責めたりはしない。

人の気持ちほど移ろいやすいものはないって、

ちゃんと知ってるから。

認めたくはないんだけれど、ね。





そんな私を一瞥して、ダーは怒った。

ごめんなさい、と謝る私に、

謝って欲しいわけじゃない、と。

少しだけ泣いて、帰る準備を始めた。

行くところなんて何処にもなかったけれど、

何だかココには居られないような気がしたから。

出来るだけ早く家を出よう、本気でそう思った。

荷物を鞄に詰めて小さくなっていると、


「そんな他人行儀にしないで。

他人の家に居るように振舞わないで」


悲しそうに笑うダー。

「ごめんね」

私が再びそう呟くと、

ダーは言った。








ダーを疑うなんて、どうかしてる、私。

ダーは私だけを真っ直ぐに見てくれてるって

ちゃんと知ってるはずなのに。

私の中にある弱い一部分が。

時々顔を見せて。

むくむくと膨れ上がって。

これ以上、深入りしないよう。

これ以上、傷つかないよう。

心の底から信じることに、予防線を張ってしまう。

そんな時が、ある。







馬鹿だな、私って。


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