恋の亡霊たち
2004年05月12日(水)
はい〜。帰ってきました、我が町へ。
たった1泊2日とはいえ、スケジュールぎちぎちで疲労困憊。
しかも!! 1日目の夕方にまんまと生理になった〜(涙)。
腰は重いわ、腹は重いわ、精神不安定だわ。
で、夜遊びはもちろんキャンセル。
もともと乗り気じゃなかったので、ラッキーだったかな。
出張先は、10数年ぶりに訪れた土地。
情緒漂う古い町並みが残っていて、
海産物が激ウマで、
夜景が散りばめられた宝石のように美しい土地。
←タイミングばっちり。
死ぬほど好きで好きで好きで堪らなくて、
でも愛することに疲れて、結局は手放してしまった人。
複雑で、繊細で、儚げで、強気で。
彼の傍に居る時も、彼と離れている時も、
どちらも手の届かない、遠い存在だった。
そういう彼を、
今目の前に広がる町並みが育てたのかと思うと、
妙に感慨深い気持ちになった。
夜、最上階の露天風呂に浸かり、
キラキラと輝く無数のネオンを眺めながら、
彼との想い出を久しぶりに取り出してみる。
1つ、1つ、ゆっくりと、
ぼんやりとした記憶を辿っていく。
時間を忘れて走り続けた、夜のドライブ。
初めて彼のベットに潜り込んだ時の、シーツの感触。
寝ぼけながら、私の存在を探る優しい手。
子供の頃飼っていた子犬が、迷子になった話。
初めて感情をぶつけた、あの日のメール。
その時の感情が、どういうものだったのか、
今の私にははっきりと分からない。
そして、その記憶さえ、
今にも消え入りそうな存在だ。
だってこれは、深く葬った過去の宝物。
それなのに、未だに、私の胸を締め付けるのはどうして?
←結局、最後まで。
今ではもう、愛されていたのかさえ忘れてしまった。
彼の声も、指先も、笑顔も、
何故だかはっきりと思い出せない。
覚えてるのは、
あの時の胸の痛みと、耐え難い虚しさ。
嬉しいこともたくさんあったはずなのに。
幸せもたくさんもらったはずなのに。
私はあの恋で、
「好き」だけじゃ、どうにもならないことがあると知った。
私は、過去の恋の亡霊たちを、
しっかりと胸の奥底に閉じ込める。
鍵をかけて、
もう二度と亡霊たちが現れないように。
再び、戻ることのないように。
願いを込めて、
私は明日へと向かう。
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