過去の恋愛
2004年04月25日(日)
私はダーと知り合う前に、何人かの男の人と出会い、
恋をして、そして別れを繰り返した。
その全ての人に当てはまるのは、
←100%。
早い話が、世に言う浮気や二股、心変わりというやつ。
1人目の人は、私の知らないところで、
私の知人と付き合っていた。
2人目の人は、本人も気付かぬまま、
昔の恋人に思いを馳せていた。
3人目の人は、当たり前のように、
数々の女性と関係を持っていた。
私はその当時、彼らだけではなく、
彼らの心を奪っていった女の子まで激しく恨んだ。
彼女たちは、人の痛みの分からない、
最低な人間だと思っていた。
その女の子たちが自分よりも何十倍も魅力的で、
オンナとして有能であるように思えた。
羨ましい、なんて綺麗な言葉では飾れない。
嫉妬、妬み、嫉み。
その時の気持ちを、どう言葉にすればいいだろう。
その証として、彼らは私の元から去って行った。
激しい恨みは、いつしか自己批判へとカタチを変えた。
私は彼女よりも可愛くない。
私は彼女よりもイイ子じゃない。
私は彼女よりも魅力的じゃない。
私は…、私は…。
私は彼女よりも劣った存在なんだ。
そうやって自分自身を卑下する日々が続いた。
負け犬、という言葉が、ピッタリだと思った。
1度ならまだしも、何度もこんな恋愛が続くと、
私には結局のところ、誰と恋をしても、どんな恋をしても、
恋人を他の女性に奪われる役でしかいないような気がしていた。
もう恋なんて、しない。
私は誰にとっても一番にはなれないんだから。
そう思っていた。
時間の流れとともに、
そんな苦しみから解放されかけたある日、
ダーの存在を知った。
私の過去の恋愛を話した時、彼は
「その時の蝶を、抱きしめてあげたい」
と優しく慈愛に満ちた声で呟いた。
←何と言う皮肉だろう。
それからダーを好きになるのに、時間はかからなかった。
彼女が居ると知っても、止められなかった。
反面、私の中の何かが、
「彼は諦めなさい」と何度も警告を鳴らし、
罪悪感の中で、日に日に追い詰められていった。
私は、私が信じられなかった。
私が誰かを好きになることが、
別の誰かを苦しめることになるなんて。
そんな酷いことを、自分がすることになるなんて。
恋人を奪われる悲劇の役ではなく、
恋人を奪う悪役。
自分の中の強欲さにも辟易し、
私自身がどれだけ強欲であるかを思い知らされた。
そして燃え上がる気持ちの何処かで、
この恋は叶う事がない、と諦めてもいた。
そして私は、
別の女の子の存在に苦しんでいた過去の自分を思い出した。
あの時、私から恋人を奪っていった彼女たちは、
自身が苦しむこともなく、罪悪感も無く、
いとも簡単に私の恋人を奪っていったかのように感じていた。
私だけが苦しみ、嘆き、もがいているかのような錯覚。
でも、間違っていたのかもしれない。
あの時、私と同じように、彼女たちも苦しんでいた…?
また、彼女たちよりも私が劣っていると決め付けたのは、
あくまでも私自身の心。
彼らの間には、そんな定義では測れない
「何か」が存在していたのかもしれない。
恋に堕ちるというのは、きっと、
理屈や常識では語れないものだから。
立場が変われば、見方も変わる。
私は今の恋で、
過去の自分と本当に向き合うことができたような気がする。
私の幸せが、誰かの不幸であったり、
私の不幸が、誰かの幸せであったりすること。
今は幸福に包まれているけれど、
もしかしたら、この先、
別の女性の影に怯えて暮らす日が訪れるのかもしれない。
そうなったとしたら、
私は、きっと、こんなに冷静では居られない筈だ。
昔のように、傷つき、恋に絶望するのだろう。
だけど、私たちの恋に、
どんな未来が待っているかは、誰にも分からない。
だからこそ、私は彼を精一杯愛す。
怖がらず、過去に囚われず、自分なりの愛し方で。
力の限り、愛してみようと思う。
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