存在の重さ
2004年04月07日(水)
早めに帰宅して、テレビを見ながらご飯を食べて、
食べ終わった後に一服。
それからトイレに行って、ある異変に気が付いた。
←しばし呆然。
慌てて個室から出て、テーブルの上を探す。
続いてタンスの上、洗面所、クローゼットの周辺。
ありとあらゆる場所を探っていく。
部屋中をぐちゃぐちゃにしながら探し回る。
でも、無い。どこにも、無い。
半分泣きそうになりながら、頭の中は真っ白。
どうしよう、どうしよう、どうしよう…。
完全パニック。
はずした記憶はないけれど、ちょっとだけゆるかったから、
歩いている最中に抜けちゃったのかも…。
最悪のシチュエーションが頭を過ぎり、
思わず「うぇぇぇ〜」と世にも情けない声をあげてしまう。
失くしてしまったものならば、
私はダーに上手く隠し通すことなんかできない。
ダーだってすぐに見抜いてしまうだろう。
怒鳴られるのを覚悟で、携帯を手に取った。
膳は急げ、だ(←かなり意味が違う)。
と、思った瞬間、テーブルの上のある物が目に入った。
パソコン。
いつも日記を書いているノートパソコン。
そっとパソコンを持ち上げて、おそるおそる下を覗き込んでみる。
…あった。
ソレはパソコンの下で、
申し訳なさそうにちょこんと隠れていた。
私はすぐに指につけた。
なんだかとっても落ち着いた。
あるべき場所に収まった安心感。
今になって冷静に考えてみると、
パニクった自分がどうしようもなく情けない。
たかが指輪。
他人にとってはどうでもいい指輪。
だけど私にとっては世界一大事な指輪だ。
貰った時には小躍りしたくなるほど嬉しかったし、
毎日毎日肌身離さず一緒に居る。
でも自分がここまで慌てることになるとは
正直想像していなかった。
こんな小さな指輪に、私は依存している。
こんな小さな指輪に、私はさまざまな想いを託している。
かけがえの無い物。
それは私の中でのダーの存在と似ていて、
なんだかとっても切なくなり、
そして、少し、怖くなった。
夕方ごろ会議を終えて、机の上の携帯を覗くと、
ダーからの着信が1件。
急いでかけなおすと、いつもとは違うダーの声が聴こえて来た。
会社に居るらしく、他人行儀な少し固めの声で用件を伝えてくる。
ドキドキ。
違う人と話しているみたい。
私の知らないダーと話しているみたい。
こんなことで寂しくなる私は、
頭がどこかおかしいのかもしれないな。
私が密かによく伺っているテキストサイトがある。
自分の考えを、適切な言葉で、的確に伝えている文章には、
未熟者の私にとって「なるほど」と感心させられることも多い。
ある日の日記で、男性にとっての仕事について言及されていた。
男の人にとって、(女性よりも)仕事の比重が高いこと。
仕事のコンディションや、会社への展望が、
男の人の自信やコンプレックスに直結するものだということ。
それは恋愛や結婚よりもずっと重いものであること。
言い回しは異なるけれど、
そういった内容が書き記されていた。
管理人さんは、恐らく私より年上の女性。
これを読んで、私は少しホッとした。
何がどうホッとしたのかは、上手く表現できないけれど。
これからの私は、昨日までの私より、
少しだけダーに余裕を持って接することが出来そうな気がする。
ダーには、後悔のないよう、
自分が本当に求めるものを見つけて欲しい。
私はダーの傍でいつまでも笑っていたいけど、
ダーの人生にまで踏み込んでいく気はないし、
そんなことはすべきでないし、出来る筈も無い。
ダーは、ダーのペースで、ゆっくりゆっくり進んでいけばいい。
私は、私の世界で、しっかり地に根を張って歩いていこう。
だって、私たちは、別々の人間なのだから。
それは悲しいことでもあり、
とてつもなく嬉しいことでもある。
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