早いもので、もう2週間が経った。 今日はダーのところへ行く日。 夜の飛行機に乗る。
ダーの好きな深紅のネイルを施し、 ダーの好きな淡群青のアイシャドウを塗り、 ダーの好きな桜色のグロスを重ね、 ダーの好きな純白の下着を身に着けた。 恐らく、この先彼と別れるようなことがあったとしたら、 これらの色たちを、私は一生取り入れることはないだろう。 彼のための色だから。 彼だけのための色だから。
あの日以来、ダーは以前と変わらず毎日電話をくれる。 そして以前よりも優しくなった。 なのに、何で私はこんな曇った気持ちのままなんだろう。 自分で自分の気持ちが分からない。
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