〜ダメダメ医学生の京風日記〜 京の都に生息するダメダメ医学生、伯耕による日常生活記。 モテない王道を突っ走りながらも、萌えを求めてただ今奮闘中であります。 |
2002年10月29日(火) ついに登場、心臓 最近布団から出るのに勇気が要るようになってきた。 そろそろ京都も冬の香り。 午後は相変わらず肉眼解剖実習。今日はいよいよ「心臓」。 実習開始、昨日切除した肺を取り出し、心臓を露出させる。 まずは心臓を包む心膜をハサミで切除し、心臓を裸に。 そして、心臓に接続する大動脈、上大静脈、下大静脈、 肺動脈、肺静脈を全て切断する。 そして心尖部に手を入れ、心臓を抱え上げると、 コブシよりちょっと大きいくらいの心臓が取り出された。 ちなみに俺は心臓には並々ならぬ興味を持っている。 ダイレクトに人の命を救いたい、ってのが俺の夢なんだけど、 だとすると今のところ思いつくのが、 脳神経外科、心臓血管外科、救急部あたり。 (もちろん心臓外科や脳外科にも救急があります。) この中で、学問的にも面白そうだなとおもったのが心臓血管外科。 先天性心疾患を持つ子供達に将来を与えられる仕事だし、 これから高齢化社会で虚血性心疾患を患う方も増えてくるだろうから これからの社会でもっともっと必要な仕事だしね。 激務という事で心臓外科志望者は少ないみたいだけど、 俺はかなり憧れているのです。 ちなみに、心臓外科手術を見学した日の日記はこちら。 冠状動脈バイパス手術 大動脈弁置換手術 他の4人は分業という事で今回は食道周辺の作業にかかり、 心臓は俺一人が担当することに。 まずは丁寧に脂肪組織を削ぎ落とし、冠状動脈を剖出。 そして、右心房、右心室、左心房、左心室に切込みを入れ、 各部屋が全て見えるようにした。 その後、中に残る大きな血の塊を取り除き、 水道で心臓を丸洗い。 たぶんこれからこんな事経験するの二度とないだろうな・・・。 きれいにした心臓の内部、卵円窩、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁など、 中の構造物もほぼ完全に見える。 もう一度各構造物を確認して思った事、 やっぱり心臓は精密にできてるもんだなあ・・・。 今俺の手の中にある心臓、これはこの方の中で数十年間 片時も休むことなく鼓動を刻み続けていたんだよね。 それを考えると手の上に乗っているこの心臓が とてつもなく重いものに思えたな。 |