〜ダメダメ医学生の京風日記〜 京の都に生息するダメダメ医学生、伯耕による日常生活記。 モテない王道を突っ走りながらも、萌えを求めてただ今奮闘中であります。 |
2002年10月16日(水) リストカットした日 朝5時ごろに目が覚めた。 なんかいろいろ思考が廻って頭は妙にハイテンションに。 すっごくいろんな事を考えていたような気がする。 また眠ってしまい、次に気づいたのは11時過ぎだった。 今日は2限が英語・・・ダメダメぇっ(泣)。 午後は肉眼解剖実習。今日は「手」。 今日は一般教養の後期履修登録の日だったので、 実習の前に総合人間学部に行き、登録を済ます。 ちょっと遅れて医学部に到着すると、 なんか実習室に鍵を閉められたみたいで入れない人でいっぱい。 教授が遅刻する人に業を煮やして、鍵をかけてしまったみたい。 俺いつもは無遅刻なのになぜこんな日に・・・。 しょうがないのでしばらくしてからみんなで 遺体搬入口から入室。まあ遅刻には気をつけよう。 という訳で実習が始まる。 前腕部を肘から手首の付け根まで切開。 「切開」という作業にも慣れてきたためかここまでは順調。 ただ問題はその次。 「手首を一周切開し、手首前面中央から中指先まで切開、 その後、各指の付け根の線に沿って切開し、皮を剥ぐ。」 つまり・・・ リストカットしろって事ですか。 人間にとってやはり「手」というのは特別な感触があるんだね。 いくら御遺体だからといっても、手首にメスを入れるというのは さすがにかなりの抵抗があった。 しかし、ためらっていたら実習が進まない。 こういうところでもメスを握り、自分自身がその「感触」を 掴んでいかなければならないのだ。 手首周囲の切り込みと、手のひらの皮剥ぎは俺が担当した。 意を決して手首中央にメスを入れ、一気に切り進む。 メスを通して自分の手に伝わってくる感触、 今までの切開作業の中で正直言って、最も「嫌な」感触だ。 メスで手首を一周した後は、今度は手のひらへ。 少し屈曲した指の中央にメスを入れ、指の腹まで切開。 そして切開線からどんどん皮膚を剥がしてゆく。 人体解剖をしていると確かにある種の感触は麻痺してくる。 毎日毎日死体と向き合って、切り開く、これを繰り返していると、 死体そのものに対する恐れなんかはだんだんと薄れてくる。 でもふとした事で、死体に入れるメスの感触が、 あたかも自分の痛みのように感じられる、そんな瞬間がある。 「割り切る事」ってのは大事だし、医者になるなら 割り切る感覚ってのは絶対に必要だ。 でも、「ふと我に帰る」感触ってのも常に持ち続けていたいね。 今日ははなかなか大変だった。 実習中に肩甲骨が落下するし(←普通はありえない文)、 手を広げる時に曲げる方向間違って危うく脱臼させるところだったし、 乳首が落下したのでとりあえず背中に置いといたり。 でも今週は今日で終わり。さすが今週最後の難関でした(汗)。 |