DOTFAMILYの平和な日々
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話は、義父が「お葬式はお寺さんでやって欲しい」と言っていたことから始まる。
義父と義母は帰米二世である。帰米二世というのは、アメリカで生まれ、日本で育ち、再びアメリカに戻ってきた人のことを言う。義父の世代の日系人は、小学校に上がる前に日本に戻されて親戚の家に預かってもらって高校(旧制高校や女学校だと思う)卒業するまで育ち、その後アメリカの親元に戻っていくという人が多かった。そうなるど、どうしても日本の道徳観や習慣を引きずってしまう。アメリカナイズされ難いのである。もちろん、人によって違うのだが、義父は最期までアメリカの習慣には馴染めなかったようだ。
さて、義父の姉がロスアンジェスルの金光教に嫁いだため、私がダンナと結婚した時点ではなんとな〜く家の宗教が金光教になってしまっていた。(ダンナは最初から「僕、仏教ね」と言っておりましたが。)義父の母は私が結婚してすぐに亡くなったのだが、その時のお葬式も金光教だった。でまぁ、メモリアル・サービスとか亡くなったご先祖様に関する行事は全て金光教だったわけである。
私は父方が日蓮中、母方が浄土宗、通った学校はカトリック、という日本人にしては珍しくもなんともない育ち方をしたのだが、結婚当事、金光教という宗教のことは全く知らなかった。もちろん名前くらい知っていたが、それがどのような宗教であるのかは考えたこともなかった。そこで、ダンナやダンナの兄弟や義父や義母に聞いてみたのだが・・・誰も知らない。義父の姉が金光教に嫁いだから、便宜上金光教に所属していよう、みたいな感じだったんじゃないのかなぁ。ま、事情はどうであれ、ダンナの兄弟達はアメリカ生まれのアメリカ育ち。日本語学校にも行ったことがない人達だから、仏教については何も知らない。そこに突然、
「お葬式はお寺さんでやって欲しい」
である。
先ほども書いたように、義父は日本で育った。当事(多分今でも)、日本ではお葬式といえばほとんどが仏教であったと思う。義父はアメリカに来て初めて知った金光教とやらよりも、馴染みがある仏教でやって欲しかったのだと思う。ここまでは何も問題は無い。葬儀社の人に「仏教でお願いします」と言えばそれで済むことだ。
ところで、「お寺さんで」というのは「仏教で」という意味なのではないかと私は思った。葬儀場でやろうが墓地でやろうが、お坊さんに来ていただいてお葬式をやっていただければ、場所は関係ないのではないだろうか?大切なのは、お坊さんにお経をあげてもらうことじゃないのかなぁ・・・とまぁ、よくわからんが私は思ったのである。
ところが、ダンナの兄弟はそう考えなかった。つまり、「お寺」の中でお葬式をするという意味に取ったのである。もちろん、お寺でキリスト教の葬式をしたいという訳ではない。いくらなんでもそこまで無知ではない。
通常、ロスアンジェルスで日本人または日系人が亡くなった時、お葬式は葬儀社の人に段取りをしてもらう。(日本もそうでしょう?)葬儀社は何教のお葬式であっても、ちゃんと準備してくれる。お寺でやりたいなら、どこのお寺でお願いします、と言えばそれで済むことなのだ。なのに・・・ここから本格的に問題が始まる。
なんと、ダンナの上の弟の嫁の実家が仏教なのである。お葬式や様々な法事は仏教で行われてきたらしい。そこで、
「仏教で一番偉いのは東本願寺だし、家(義妹の実家)が檀家だから東本願寺でやってもらおう」ということになったらしい。
「東本願寺って何宗?」と聞いたのは私。無知ですみません。
「そんなの関係ない。仏教は仏教だ!」
いえ、もちろん反論する気はありません。私だって宗派が何であろうが仏教は仏教と思っています。でもなぁ・・・宗派くらい知ってると思ったんだけどなぁ。それに、たとえ東本願寺=浄土真宗といのが事実であっても、仏教では浄土真宗が一番偉いということがあるというのはどうも信じられない。浄土真宗、あるいは東本願寺のお坊さんたちがそう主張しているということがあるのかもしれない・・・いや、お坊さんはそんなこと言わないでしょう。それを言うなら、「浄土真宗は檀家が一番多い」じゃないでしょうか?ま、多数派が偉いんだと言われればそれまでですけど。
とまぁ、屁理屈を捏ねてもしょうがないし、東本願寺でやっていただけるのなら私としては有難いことだと思ったので何も言わなかった・・・そこまでは。
余談だが・・・「東本願寺にあらねば仏教にあらず」な〜んて言われると、「お前ら他宗排斥ならぬ、他寺排斥か!」と突っ込みたくなりますな。他宗排斥は日蓮宗だろう!(むか〜し、むかしの話ですから、日蓮宗の人、怒らないでね。私は日本史でそう習ったぞ!)
さて、先ほども書いた通り、ダンナの実家は一応金光教であったので、どこのお寺の檀家にもなっていなかった。で、東本願寺に問い合わせてみたところ、快く引き受けて下さったそうである。これで目出たし目出たし・・・のはずである、普通なら。
長くなりましたので続きはまた明日。
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