DOTFAMILYの平和な日々
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2011年05月23日(月) |
片付け読書ノート27: ニホンゴキトク |
久世光彦著 講談社 1996年5月28日第1刷発行 ISBN4-06-208216-0
古き良き言葉が消えていくことを惜しんでいる本である。
言葉というのは変わっていくものなのだよ。そして言葉は時代と文化を反映する。素敵な言葉が消えていくのは世の中が素敵でなくなっていくからだろう・・・仕方ないよね。
それにしても、『日本語は美しい』という台詞は様々なところでお目にかかる。別に反論する気は無い。私だって日本語は美しいと思っている。でも、他の言語だって同様に美しいのではないか、とも思っている。英語だって美しいぞ!残念ながら私はその美しさを理解できない。美しい英語は平坦な英語よりも難しい。が、そういう英語だって文学にはたくさんある。
著者は色を例に挙げて日本語の表現の豊かさを語っている。例えば赤にも色々あって、微妙な違いで呼び方も変わる。英語だって同様である。赤にも色々な呼び方がある。勘弁してくれよ、これのどこから赤い色を連想するんだよ、という名前だってある。いくつあるのかは知らない。このように、英語でも1つの言葉に様々な表現の仕方があるのだ。フランス語やドイツ語、中国語や韓国語だって同様なのではないだろうか?
美しい言葉が失われていくことを嘆く気持ちはわかる。美しい日本語を愛おしいと思う気持ちもわかる。が、日本語は他の言語よりも美しい、という優越感は鼻につく。
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