惨めな気分で夜の街をそぞろ歩いた。寂しいところも通ったので……ここでひったくりに会うかも知れないなとぼんやり考えた。しかし居たのは固く抱き合っている男女ぐらいのものだった。自分が惨めな気分でも、他の人はそれと無関係に忙しなく歩いている。世の中はそういうものだ。