股・戯れ言
BBS

振り向くなアイゴアイゴ美しい

宮里藍はジャガー横田に似ていると思うのだけれど目の錯覚なのか。

そんなことはともかく、2006。今年の目標は
・携帯で馬券を買えるようにする
・15000マイル溜める→海外旅行をする
・遅刻をしない
という具合なのですが(最後の目標はその他大勢に決められた)、もうひとつ決意したことがあるのです。
それは

・高校スポーツ選手権に行く

こう書くと意味がわからんのですが、要するに甲子園に行くということです。
って毎年「今年こそは甲子園に行くぞ(観客席に)」と言っているわけですが、今年は甲子園だけじゃないの!国立!花園!そういうものに行くということなのですよ。
そういう選手権に行く年にしようかと。自分がプロレスと音楽とマンガに明け暮れる暗黒高校時代を過ごしたせいか、高校生のスポーツする姿はかけがえがないし、すべてが一生懸命でまぶしいので容認なのです。失われた青春を取り戻したい!見てるだけだけど。

というわけで、まずは第一弾。
昨日は高校サッカーを見に行ってきました。

私がサッカーを見に行くなんてとても信じられないことなのです。
なぜならば私は相当なサッカー盲だから。サッカー=前にボール蹴っていくやつくらいの認識しかない。先日も友人に「ゴール前でごちゃごちゃ揉めるとコーナーキックになるんでしょ」と言って笑われた。日本代表の試合に皆が熱狂して夜遅くまで起きているのもよくわからない。日本代表試合の日に皆がこぞって早く帰るのもよくわからない。
「え?今日なんでみんな早く帰るの?」
「日本代表試合の日だよ!」
「あ、そうなんだ。知らなかった」
「(心底驚いた顔で)知らなかったの?非国民!」
などという会話も実際にしたことがあるが、たかだかサッカーを応援しなかっただけで非国民よばわりされる覚えはない。
そうなんだよ、サッカーが好きってイコール愛国心みたいなことになっているのがイヤなんだよなー。一時的な愛国心はかっこ悪い。右翼の風上にもおけないわ。
サッカーで愛国心とか言っているやつの軟弱ぶりウザイ。そしてうるさい。あんだけうるさいと、なんだか禁煙ファシズムのようにも思えてくるな。おー怖。
日本代表試合のために早く帰る人たちや、日本代表試合をスポーツカフェで応援している人たちの姿をニュースで見ると、
「こいつらは戦争が起こったらお国のために喜んで命を捨てるんだろうか、ジーコが首相だったら捨てるんじゃないんだろうか」
と思ってしまう。
おまえら全員男たちのYAMATOになれよ。長渕魂注入されろよ。

(でもワールドカップはちょっと好き。勝ち抜けトーナメント戦のものは見ていておもろい。実際前回のワールドカップ時、会社の友人らと六本木でイングランドVSアルゼンチンを見たんだった。なぜか沖縄料理屋で。映りザーザーの14インチのテレビで。音を大きくすると「すいません、沖縄民謡が聞こえなくなるんで」と注意された)

高校サッカーは前述の通り、かけがえのない一瞬なので目映いし、勝ち抜けトーナメント戦だし、何よりも軟弱偽善愛国心ということが関係ないのでいいのです。
そんなわけで見に行きましたよ。国立ではなく市原競技場くんだりまで。
五井遠いな!錦糸町から1時間くらいかかった。
前に千葉に行った時に思ったが、千葉(県じゃなくて市/駅な)は立派な地方都市なのだよなー。それが横浜や大宮との大きな違いだ。むしろ宇都宮や静岡、郡山と同じ部類。船橋や松戸、浦安、市川の人は千葉を名乗ってはいけないと真剣に思うのです。千葉市は房総半島や銚子のほうの人の中心都市だなあ、と。
五井は内房線なので千葉駅がいかに地方都市なのかを実感。

ちなみにこの日見に行ったのは

◇準々決勝◇5日14時10分◇市原臨海競技場
大阪朝鮮 (大阪) −  野 洲 (滋賀)

でございました。もちろんサッカー知識は皆無なのでどの学校がどれだけ強いのかよくわからん。しかし、民族学校にも等しく出場権利を与えているのは頼もしいなあと思えたので足を運んだわけです。
いやあ、競技場のバスの中からおもしろかった。大阪と滋賀の代表なだけにバスの中に飛び交う関西弁率の高いこと高いこと。ここは千葉だっつうの。
それに加えて、サッカーに微塵も興味がなさそうな壮年層が多い。なぜだろうかと思っていたら、バスにおっさんが乗ってくるたびに全員で「アイゴ、アイゴ〜」と歓迎するという具合。いろんなとこから同胞が集まってきているんだろうな。
愛国心、団結ぶりが日本人みたいな中途半端なもんではない。硬派でガチだからね。このレベルまで行くと圧巻。すげえ。

会場に着くと朝鮮パワーはこんなもんではなかった。
正面から見て向かって右側が野洲高校席。下段の端に高校生が青いメガホンを片手に固まって座っている。試合始まる前から声出していて、高校生らしい応援だなー野洲高校は県立なのか(横断幕に書いてあった)いいなーなどと思う。
が、左側の大阪朝鮮席は上段も下段も客席がみっちり埋まっていたからね。席すべてが真っ赤っ赤。どこの国際試合かと思った。
応援も吹奏楽部がでーんと構えていて、吹奏楽部の横には声を出す部隊が立ってスタンバイしているから。アリランらしき曲を演奏している。いつマスゲームが始まってもおかしくない状況。

私は正面席の大阪朝鮮側に座ったのだが、正面席でも旗を振っている人が多くて、この団結ぶりは叶わないなと思った。そんな中で試合をする野洲高の生徒たちは相当な風当たりだったことだろう。心中お察しします。
試合始まっても大阪朝鮮がボールを奪うとキャーキャーキャー
大阪朝鮮がゴールに近づくとキャーキャーキャー
逆に野洲高がゴールに迫るとキャーキャーキャー(ピンチ!負けるな!の意味)
私の後ろに座っていたオバハン(大阪朝鮮の旗を振っていた)など、大阪朝鮮の子がボールを奪うたびに「落ち着いて!落ち着いて!」とまるでわが子に言うかのように忠告を送っていた(90分間すべて。どんだけ落ち着けば気が済むのだ)
野洲高が「やすこーやすこー」(靖子と呼びかけているようだ)と声援を送れば大阪朝鮮は聞いたこともない軍歌のような昭和歌謡曲のような曲を演奏し(たぶん将軍様どうこうって曲なんだろう)、大阪朝鮮がハングルで呼びかければ野洲高は「どかーんと一発やってみよーよー」と高校野球のように歌いだす。
この応援合戦を見ただけでもああ、高校サッカー見に来てよかったなと思えた。
海沿いなんでものすごく寒かったんだが。足先の感覚がなくなってたわ。

試合は応援の勢いも相まって、大阪朝鮮が押し気味。でも点はなかなか入らない。
サッカーの試合ってちゃんと見たことがなかったのだけど、誰かひとりが抜きん出てるのではないのだな。野球のようにスター選手がいるわけではない。けど、すげえな、皆どんだけ高くジャンプするんだ。
前半はゼロ対ゼロで終了。とにかく寒い。カップラーメンに行列ができてた。

後半。15分くらいのところで大阪朝鮮が先制。
この時のお祭り騒ぎ(ニック・ニューサー)ぶりはハンパなかった。左側のスタンドは全員いっせいに立ち上がっていて、なんだかお正月番組の若手芸人全員大集合でよく見られる「いっせいに立ち上がって司会者(今田あたり)にツッコミ」の図を思い出した。それよりもスケールが遥かに大きいが。
心情的には、サッカーでも応援でも押されてる野洲高校を勝たせてあげたい気持ちになる。こんだけアウェー扱いされているところを見たらそう思ってしまうのが人情というもの。
けどどっちのチームも勝ちたいという一心でボールをひたむきに追っている姿を見ると、どっちにも勝たせてあげたくてムズムズする。時間があと20分、あと15分と終わりが近づいていくにつれて、彼らの必死さが伝わってくる。胸がいっぱいになる。
ああ、どっちも国立行って欲しいなあ。これで終わりになんかさせたくないなあ。

と思っていた矢先に野洲高校がゴール。同点に追いつく。
言うまでもなく、私の周りも左側の客席もいっせいにうなだれるが、すぐに軍歌。
野洲側も声が嗄れるまで応援。応援も最後までは諦めないのだな。
やっぱり生観戦はいいよ。寒いのだけが難点だ。
しかしどちらのチームの願いもむなしく、1対1の同点のまま試合終了のホイッスルが鳴り響く。延長戦に突入ですか、と思っていたら
「高校サッカー連盟の規定によりこれよりPK戦を行います」
というアナウンスが。
うわあ!PK戦!
そんなの見たら泣けて泣けてしょうがなくなってしまうじゃないか!
のそのそと右側のゴール側に移動する。寒くて寒くて震えがとまらん。

野洲高先行でのPK戦。ひとり目が難なくゴールを決めると、今度は大阪朝鮮。キーパーがPK戦やってた。へーキーパーも蹴るんだな。(ほんとに無知)
が、その大阪朝鮮のキーパーのキックは野洲高キーパーに止められてしまう。
どよめく観客席。これが大阪朝鮮の自信を揺らがしたのか、2番目か3番目にPKをした選手もはずしていた。ゴールを掠めていくボールを見たとたんに泣き崩れる彼を、キャプテンが支えながらみんなのところに連れて行く。
くそー泣けて泣けてしょうがねえ。
続く野洲高の選手もゴールを決められずその場で泣き崩れた。それを同僚が、グラウンド中に聞こえるような大声で「泣くな!」と叱責。
うあー俺、もう涙止まんね。泣くなと言われても無理。
泣くな!と言われた選手が戻ったのと同時に放たれた大阪朝鮮の選手のキックが、キーパーの手に弾かれてゴールバーにぶつかった瞬間に試合は決まった。

泣いていた野洲の選手の体が飛び上がった。
倒れて泣き出す大阪朝鮮の選手。

試合終了は切ないな。もう涙で前が見えなかった。

暴動のようなものが起こったりしたらやだなーと思ってたんだけど、高校サッカーなのでもちろんそんなことはなく、さわやかな終了ぶりでしたよ。
一生に一度しかない、かけがえのない90分を完全燃焼できた彼らは本当に素晴らしいよ。まさにうつむくな、振り向くな、君は美しい、だな。(余談だが「振り向くな君は美しい」は名曲なので、どうでもいいコブクロの曲など流さなくてよい。だいたいコブクロって前に高校野球の曲も歌ってたじゃねえか)
試合もサッカーまるでわかんねえ私が見てもおもしろかったし。
高校サッカー、イイ!これで遠くなくて寒くなかったらなおイイ!
正直あれ以上長かったら手も足も動かなくなっていた。凍傷寸前だったわ。


というわけで、これは花園も見に行くしかねえな!と意気込みながら東京まで戻ってきたのです。ラグビーのルール全然わかんないけど。
と思って今日高校ラグビーの日程を調べたのですが


全国高校ラグビー 大会期間:2005年12月27日〜2006年1月7日


高校サッカーとかぶってるじゃねえかよ!
しかも明日で終わりじゃねえか!
なんとなく冬にやってるイメージはあったが、正月だったのか、知らなかった。
もうこの時点で今年の目標は達成しないんではないのか。


あ、今年の12月末に一回戦見に行けばいいのか。
2006年01月06日(金)

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