抗鬱剤を飲むと、確かに会社での生活は楽になる。
誰かのひとことに心を砕かれることもないし、立ちすくんで動けなくなることも減ったし、メールを神経質に何度も何度も読み返すこともない。
でもやっぱりなー、なんだかこれでいいのかな、と思って、しばらくやめている。
魔法が解けたように、挙動不審で心配性な臆病者に戻った
けど。
小説が面白くなった。 人が怖くなった。でも面白い。 雨の日の雲の不穏なかたちや、ネバネバした虫や、そういうものが面白い。 ツバメの子を一日中見ても飽きない。 生きづらそうにしている人は、他人じゃなくて、自分となんら変わらない。 生きていくことは辛いけど、やっぱり興味深いと思う。
自分が自分として普通に生きていくこと。 その代償として器用さが手に入らないとしたら、それはそれで捨て置くものだ。
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