ある大学院生の日記

2005年11月25日(金) エコノミストって。

某MLではいまさらながら「エコノミストって?」という議論が再燃してて、議論の方向がちょっとちがうのですが、ワタクシの理解ではこんな感じではなかったかと。

民間シンクタンクや金融機関でマーケット周りの「調査」をしているひとたちのうち、海外も含めたマクロ経済指標の動きを追っているのが「エコノミスト」、個別企業・業界の分析をしているのが「アナリスト」、エコノミストやアナリストのレポートを参考に投資戦略を組むのが「ストラテジスト」ということになっていたんじゃなかったかと(もっと金融工学っぽいひとたちは「クォンツ・アナリスト」とか?)。もちろん、それぞれの領域が互いに独立しているわけではなく、重なりあってるのでしょうけども。財政の動きは彼らにとっては所与のものなので、あくまで「見通し」を作ることが本業なのでしょうけれども、見ているうちに言いたいことも出てこようかということではないかとおもいます。

他方、民間シンクタンクや金融機関で「政策」を口にするひとたちもいますが、彼らのやることは基本的にカネにならないので、そういうのは「エコノミスト」の副業か、あるいは「広告塔」としての役割を担っているのではないかと思います。このような政策を論じる人は「研究員」の肩書きが多いように思います。また、個人的に活動する人もなかにはいて、それやこれらのひとたちを漠然とまとめて「エコノミスト」と呼ぶこともあり、学会で発表したり大学で教えていたりする「経済学者」となんとなく区別されているのではないかなあとおもいます。あ、「官庁エコノミスト」(旧経企庁と日銀。財務省や経産省にもいたっけ?)と呼ばれるひとたちもいましたね。昨今ではその境界上にいるひとたちや、転職(天下り)や任期付き採用や特任教授もいるので、分かりにくさが増幅されているような気もします。

「民間エコノミスト」は個人商売のようなところがあるので、給与を保障されている(?)官庁エコノミストや経済学者よりは自分のいうことに慎重だったり首尾一貫していたりしているような気もしますが、バイサイド(生保や信託等の機関投資家のような「買う」側)から、セルサイド(証券会社等の「売る」側)へ「転職」して言うことが変わっちゃうこともあるみたいですし、基本的には「社の方針」があるので、そこまで「責任」持つ気あるのかしらんと思ったりします。

ええまあ、まだ職のない院生よりは責任のある立場なんでしょうけれども。


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