ある大学院生の日記

2005年11月22日(火) けんぎ

財政制度等審議会の「平成18年度予算の編成等に関する建議」が出て、おもしろいから読んでみよ、との噂が耳に入ってきているところなのですが、眺めただけでぜんぜん読んでおりません。「地方交付税制度がモラルハザードをもたらす」とかいうどこかで聞いたようなややインチキっぽい言い回しがあったり、「給付の伸びを抑制する」という財政面しか考えてない表現があったり、いまだに「世代間の公平」がでかでかと取り上げられてたり、突っ込みどころ盛り沢山なんでしょうなあ、とは思いますが。

社会保障、といえば、「自己負担率の設計をうまくやると医療給付を削減できると思うんですけど、そういう推計って、ざっくりしたのでいいのでできませんかね」とか真顔で聞く人がいるのには驚きです。そんな単純な理屈で医療保険給付の額が決まっているわけがないし、かりに近似として間違ってないとしても医療費の弾力性の値だってまだよく分かってないというのに。で、そういう人に限って、ここらへんの話を説明しようと試みると「この人は私がなにが聞きたいかを分かってない。頭悪いんじゃないか」みたいな顔をします。こちらはアタマが悪いほうなのでべつにそう思われることはかまいはしないし、たぶんお金を積めばそういう数字を作ってくれる便利なところもあると思うのでそっち方面に当たっていただければいいんですけど、それでいいんですかね。SNA統計でいうところの中央政府・地方政府・社会保障基金がそろって自分の会計(とくにマスコミ受けするところ)の「健全化」を図っているのって、さすがにいかがかと。

トップが長くて2年で替わるという奇妙な組織の特性なのかもしれませんがどうなんでしょうか。アタマのいいひとの考えることは分かりませんなあ。あっはっは。

ってゆーか、このご時世にこの種の公開資料をPDFでつくって5MBってのはさすがにどうなのよ。プリントアウトしてスキャンする、とかいう二度手間な馬鹿げたことをやってるからでしょうけど、こういうことやって平気な顔をしていられる省に「効率性」とか「公益」とか語ってほしくないところですな。そりゃもちろん、「大所高所の観点から」こういうのが望ましいというご判断があったんでしょうけどね。


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