ある大学院生の日記

2003年10月30日(木) 簡単なモデルで説明できること.

東大のワークショップに行ってきました.2本あったのですが,1本目はちょっと遅刻して後半からしか聞くことができませんでした.どうも,結婚や出産にからめて生命保険需要まで取りこんだややこしいDGEらしかったのですが,adult equivalenceがどうしたこうしたとか,えらいめんどっちそうだったので,途中からはついていくことができませんでした.最初から聞いてもついていけたかどうか.生命保険需要なども年金・貯蓄と関係しておもしろいのですが,わからないんじゃどうしようもありません.

2本目は,かのEd Prescottの話でした.アメリカ人と日本人はなぜヨーロッパ人よりよく働くか,というタイトルで,要するに(たぶん),一番簡単なDGEに税制(労働所得税・消費税・資本所得税)を入れて,技術進歩を入れてカリブレーション&シミュレーションをやったということのようです.なかなか興味深いのは,効用関数パラメタを同一として,税制と技術水準のみを変化させると,モデルの構造をまったく同一として労働時間のG7各国差異があるていどは説明できてしまう,ということです.モデルの構造自体が簡単過ぎるとか,失業率が考慮しきれないとか,まあ批判はいろいろあるにしても,これだけ簡単なものであれだけ説明できるのはやっぱり驚きでしょう.さすがプレスコット.

そのあと,わざわざ京都から来ていたU先生,Kくん,Tくんと蕎麦屋でしばし飲んで帰りました.うーん,シミュレーションで論文書きたいなあ.ネタはあるのに.


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