だいたいがマクロデータは政府機関によって作られるもので,SNAの基準改定からもわかるように,ときどき大きな変更が加わったり,そうでなくとも速報が確報になり,確確報になる,といったような修正が加えられていくものです.このような修正がマクロ経済学の実証分析にどれほど影響しているのか,という論文がありました(Croushore, Dean and Tom Stark. 2002. Is macroeconomic research robust to alternative data sets? Philadelphia Fed Working Paper 02-3, forthcoming in Review of Economics and Statistics).Kydland and Prescottの結果には影響を与えないが,量的に影響を与えるケースもあるよん,という結論でした.ま,たしかに,マクロのデータはそもそも観測誤差が大きいですし.難しいところなんでしょうなあ.えーとところで相変わらず弾力性など測ってみているのですが,労働供給の賃金弾力性は-1だ,という論文もあるのですなあ(Camerer, Colin, Linda Babcock, George Lowenstein and Richard Thaler. 1997. Labor supply of New York City cabdrivers: One day at a Time. Quarterly Journal of Economics 112(2), 407-441).お話はそんなに難しくないみたいで,賃金率と労働時間の積である収入を一定に保とうとすれば,給料が上がれば時間は減りますよね,ということのようです.夏休みのバイトで目標金額を定めて働くようなものです.なるほどねー. しかしおそるべし,Boyan Jovanovic.
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