ある大学院生の日記

2003年08月18日(月) いろんなことを

90年代の労働供給研究として外せない論文として、Hausmanの1981年の論文と、MaCurdyらによる90年の論文があるのですが、これらは一見して似たようなサンプルを使い、似たような手法を使っているわりに、結果がそれほど同じではない、とされています。MaCurdyらの論文は、Hausmanが非明示的に推定に制約を掛けているからこうなるのだ、てなことを言っているのですが、それ以前に、MaCurdyらによるHausman論文の追試結果がえらくちがう、という話があります。Hausman論文は、労働供給は賃金率に反応しやすい、といった結論を得ているので、その後の累進課税の見直しに一役買うことになってしまうのですが、MaCurdyらの論文によってその妥当性が疑われることもあるようです。で、これらの原因はなにか、意外とサンプルの選び方や変数の定義によるのではないかね、という論文があって(Eklöf, Matias and Hans Sacklen. 2000. The Hausman-MaCurdy controversy: Why do results differ between studies? Journal of Human Resources 35(1), 204-220.)それを読んでおりました。むむ。実際に実証をしようとすると、こういうことをちゃんとやってくれているとありがたいですねえ。賃金率変数なんて、簡単そうに見えてそうでもないですしね。

それはそれとして、先週号のananで血液型特集をしていたらしく、職場では軽い騒ぎになっております。いいのかこんなことで。


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