あまりにぼけぼけしているのも逆にいらいらするので大学に来て読みかけのサーベイに最後まで目を通してみました.ナナメ読んだというか飛ばし読んだというか,なのですが,世の中にはいろんな研究をしている人がいるのであるなあ,というのを実感しました.ふーむ.James HeckmanのAERの1993年5月号の論文「労働供給についてこの20年でなにが分かったか?」を読んでみました.働くか働かないかという選択と,どれくらい働くかという選択が区別されたのがポイントの一つだそうで,所得や賃金がこの二つに与える効果の大きさはかなり違うようです.この違いをみるためには,「労働供給関数」がなにかというのが重要で,4つのパターンに分かれます.で,それらの推定にはサンプルセレクションやデータの観察不可能性・測定誤差の問題が絡んで……というのが,たかだが6ページのなかに書いてあります.むむむ.情報処理技術の進歩で,93年以降いろんなことがやられてきたんだろうなあ,と思うと目眩がしますね.
実証論文での計量的なポイントは,「Sample selection bias」「Omitted-variable bias」「Endogeneity bias」の3つだ,と聞いていますが,この文脈ではすべてがちゃんと出てきますねえ.あーらたいへん.