ある大学院生の日記

2003年01月31日(金) Option demand

ヒトは何で大きな病院に行くんでしょうか,という話をすると,「そりゃ大病院ならいろいろそろってて安心じゃん」などということを言いますが,施設がそろってようが看護婦が美人揃いだろうが,たかが膝をすりむいたくらいではたいした施設は要らないし,看護婦だって一人いてくれるかどうか,ということになるはずです.膝をすりむいたくらいなら話は簡単ですが,これが風邪の引きはじめでインフルエンザと区別がつかん,てなことになると,大きな病院に行っておいたほうが安全かしらん,と思うのもまた人情です.たとえ普通の風邪でどうってことないことが発覚したとしても.このような需要は,自分の実際の将来の需要が不確実であることに起因しており,option demandという言い方をします.……と書くほど大げさなことでもないんですが,そのわりにモデルとかないねえ,と思っていたら,ありました.QJEに.しかも1964年から数本,論争のようになっておりました.うーむ.甘かった.現代版をご存じの方,教えてください.患者のoption demandと立地と施設へのsunk costを含む投資,なんて論文になりませんか.もうありそうですけど.あったら教えて.

えと,ぜんぜん関係ないんですが,村上春樹『遠い太鼓』講談社.を読み終わりました.村上春樹はこういうエッセイがよろしいと思います.なんとなく.

それも,僕が外国に出ようと思った理由のひとつだった.日本にいると,日常にかまけているうちに,だらだらとめりはりなく歳を取ってしまいそうな気がした.そしてそうしているうちになにかが失われてしまいそうに思えた.……中略……もちろん,どこにいようと,ひとはだらだらと歳を取ってしまうものだ.
(文庫版17ページ)
旅行記(?)つながりということで,素樹文生『上海の西、デリーの東』新潮文庫を買っちゃいました.文章としてはときどき「ん?」と思うけど,おもしろそうです.


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