ある大学院生の日記

2002年05月24日(金) 医療の質?

世の中にはマネジド・ケアというものがあって,医師誘発需要のようなかたちでぶくぶくと膨れ上がるところの医療費を削減するために導入されているらしい.で,マネジド・ケアというのを使うと,医療の質を落とさずに医療費を削減できるということのようである.しかし,ふつうに考えれば,実現した状態が同じであるということは,どこかで所得分配が発生しているか,あるいは実現した状態が違う,ということなのだろうとおもう.

しかしいったい医療の質とはなんだろうかね,とおもう.医療はサービス産業だからどうのこうの,というひともいるし,それはそれで間違っていないとは思うが,医療サービスというのはできれば需要したくない財だと思うし,財の質を判定するのは難しいし,要するに「サービス産業だから経営の視点が,」等と軽々に言えない.予後の調子がよいとかいうことで医療の質を図ったりして,それはそれでひとつの適切な代理変数かもしれないが,ほったらかしにされて調子がいいのと,丁寧にみてくれて調子がいいのとでは
効用水準にはかなりの差があるような気がする.医療サービスの事前の評価を入手することはあるかもしれないが噂話の域を出ないし,ブラックジャックのように価格に差をつけることもない.3時間待ちの3分診療がよくない,というが,時間というかたちで価格差が発生しているのかもしれない.金額として払うおカネが同じなら,待ってでもいい先生に(←井伊先生に,と変換されてちょっとびっくり),ということもあるだろう.

世の中には測ることのできないものは多いが,効用という概念はその最たるものかもしれない.そんな測りにくいものをいかに測るかというのもいいけど,測れるものをきちんと測るというのも必要なんだろうなあ.具体的には思いつかないけど.


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