ある大学院生の日記

2002年03月20日(水) FILP

日本人の金融資産のうち,かなりの部分が預貯金として保有されているということはそれなりに知られた事実なんだろうと思うんだけど,1400兆円とかいう数字はある意味で簿価なんだろうなあとおもう.つぶれるかもしれない銀行での預金はすでに安全資産ではなく,リスクを評価すると名目額より小さくなる,という意味で.この意味で,郵便貯金はやっぱり安全資産ではないのだろうなあ,とおもっていた.郵便貯金は昨年度まではほとんど財政投融資につぎこまれていたわけで,投融資,というからには,すべてが安全資産であるわけではない.公的年金資産だって,その運用先が財政投融資であって,第三セクターの破綻などに鑑みれば,その資産が実際のところいくらくらいあるのかわかったものではない,とおもう.じゃあそれっていくらくらいなんだろう,ということを考えるヒトがやっぱり世の中にはいて,エラクなると手法まで考えちゃうわけで,財政投融資の不良債権額というのの推計のはなしを聞いてきた.その推計によれば,おおざっぱにいって財政投融資の不良債権額は200兆円,実際に焦げ付く比率を25%とすれば,貸し倒れ額は50兆円になるそうだ.国家の信用であつめた資金の焦げ付きは,当然税金でまかなわれるわけで,ということは,50兆円の国民負担がすでに発生しているということのようだ.ほほお.

しかし実際のところ,個人資産1400兆円は預けた側の統計なんだろうけど,当然,その裏には実物資産が1400兆円分なくてはならない.民間銀行の不良債権とか,こういう郵貯・財投関係の不良債権を考えると,「1400兆円もあるから大丈夫だ(←なにが?)」という主張は,とつぜんその根拠を失うような気がするのだが,そういう推計ってどうやるんだろう?


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