たまに××したり。
INDEXこれまで。それから。


2015年01月03日(土) 盆暮れ正月生まれ月。

誰に聞いたか、

「人は、盆暮れ正月と生まれ月に亡くなったら寿命なんだよ」

と言う話があって。


怒涛の年末からやっと来た休みに、年の瀬から体調を崩していると聞いていた、母に会いに行こうと電話をしたら、何度コールしても繋がらない。
トイレにでも行ってるのかも、と暫くしてからかけなおすが、やはり繋がらない。
一抹の不安に駆られ、職場に事情を話し、遅れていく旨を伝え、大急ぎで支度をして出かける。
同じ市内で車ならば二十分もあれば行ける距離だが、あいにく今は車がないので、電車で行く。
折しも街は初売りで、駅は溢れんばかりの人の群れ、電車はラッシュ並み混み具合で、いささかうんざりしながら一時間ちょっとで家に着く。
家までの道すがら、万一のことがあったらどうしたらいいのだろう、そもそも合鍵持ってないし、家に鍵がかかっていたらどうしたらいのだろう、大家さんの連絡先聞いておけばよかった、などといろいろなことが頭の中で渦巻いて、不安と心配でいっぱいになりながら玄関のドアを開けると、部屋の中ではコタツにあたりながらテレビを見る母がいた。

「ちょっと、どういうこと?電話しても出ないからなにかあったのかと思って飛んできたのに!」

びっくりするやら、ほっとするやらで思わず怒鳴りつけたが、母はのんきに、

「電話なんて知らないわよ」

などと言っている。
どうやらトイレに行っていて気付かなかったらしい。

とりあえず体調を訊くと、熱が下がらないことと咳が続いているというので、休日診療所に連れていくことにした。

診療所は時節柄、たくさんの人で溢れ、診察が終わり薬をもらうまでに4時間もかかってしまった。
結局、ただの風邪で、インフルエンザでも肺炎でもなかったので、よかったのだが、生きた心地がしなかった。

仕事は結局諦めて、母としばらく雑談して帰宅した。



日頃から母とは不仲で、電話すら年に数回しかしないし、訪ねるのも年に1、2度という親不孝ぶりな私からしたら、今回の対応は自分でもびっくりするくらいの迅速な行動だったわけだが、それが冒頭の話が頭に浮かんだからなのは言うまでもない。
なぜなら、盆暮正月生まれ月、母の誕生日は1月5日だからだ。

「まさかお前が来てくれるなんて思わなかったから嬉しかったよ。まだまだ死なないよ」

そう嬉しそうに言う母を見て、初めて親孝行が出来た気がした。


↑エンピツ投票ボタン。ないよりはあったほうが励みになります。何回押しても1日1票。
My追加

あたしのマイは非通知です。


INDEXこれまで。それから。

うらら |あばら家足跡恋文

My追加