お店自体はものすごくヒマで。いいのだろうか、と言うくらいで。
冬のボーナスは危ないなあ。。。
と言う所に電話がかかってきた。
「お客様からスーツケースについてのお問い合わせです」
交換からつながれた電話を取ると、
「そちらで買ったスーツケースを持ってアメリカに行ったんですけども、今、向こうの手荷物検査って相当厳しくて、そのときに無理矢理カギをこじ開けられてしまったんですよ。それで、ちゃんとしまらない状態で、使い物にならないし、修理はもちろんなんですけどあまりにも腹の虫が収まらないんで、アメリカ政府に対して抗議しようと思うんですよ」
・・・はあ。
アメリカ政府に抗議?
「それでですね、修理代金とスーツケースの代金を合わせて提示して、これだけの被害にあいました、と言うような形でですね、抗議しようと思うんですけども、そちらでの販売価格を証明できるような書類はいただけませんでしょうか?」
言いたいことは分かるような分からないような・・・。
というか、レシートの類ではいけないのであろうか?
「それがレシートは捨てちゃったみたいでないんですよ。値札も捨てちゃいましたし。クレジットで買ったんですが、まだその請求書は手元に来てませんし、請求書が届いたとしても店名の記載はあっても買ったものの明細はわからないじゃないですか」
うーーーーーーーーーーん・・・・・・。
どうしていいのか分からん状態なので、いったん電話を切り、折り返し連絡ということにする。
電話を切ったあと、あーでもないこーでもないと売り場で話し合い、結局答えは出ず、本部にまで電話をかけて相談する。
「こちらではそういった書類はありませんし、販売価格の証明って言うのであれば、レシートが一番だと思うんですが」
そう言われ、恐る恐る、
「あの〜う・・・そちらに直接対応してもらうって言うわけに行きませんでしょうか?」
と尋ねたら、にべもなく
「個店対応でお願いします。こちらに電話をもらっても結局お店に確認する、と言う形になって、お客様にとっては二度デマになってしまいますから。逃げずに対処してください」
逃げてるのはそっちじゃ〜ん!といいたいのを我慢して、電話を早々に切りお客様に折り返し電話する。
「やはり、そういった証明書のようなものは発行いたしかねるのですが・・・。レシートがあればそれが一番の証明になると思われます」
と言うと、
「そうですか・・・分かりました、こちらでなんとかしてみます」
と引き下がってくれた。
アメリカ政府に抗議する、とまで言うくらいの人だから、どんな無理難題を押し付けてくるやも知れぬ、しかも、あんたじゃ埒があかないわよッ!店長出しなさいよッ!なんてことになるやも知れぬ、と戦々恐々だったのですが、あっさり終わってやれやれ、と胸をなでおろしました。
その後の経過を知りたいと思うのはあたしだけ?
あたしのマイは非通知です。