いつものように午後から出勤すると、今日は社員の出勤が2時から、と言うこと。その間、パートのあたし達が社員代行でPHSを持たされる。
嫌ですねえ。他の売り場からの問い合わせ、であるとか、クレームの電話、であるとかがかかってくるんですよ。できる限り持ちたくないものです。
まあ、それはそれとして、出勤してすぐ、本日やらねばならないことを確認し、レジスケジュールを確認し、1日の大まかな流れを把握する。
水曜からのセール準備、今回うちの売り場は靴がメインだ。
とは言え、あたしの担当するバッグもそれなりに準備はあるのだが。
朝からいるYさんにPHSを譲り受け、セール準備について話すと、
「今日、靴のセール準備たくさんあるんだけど、何にも指示が出されてないのよね〜・・・ユタカ君2時出勤じゃない?それからじゃ間に合わないと思うんだけど、どれがなにやら分からないから準備するにもできなくてそのままにしてあるんだけどー・・・」
なるほど、大量な準備。これだけの作業を終わらせるには1日がかりになるだろうと言う量だ。それなのに、何の指示を出していないとは。
「心配になったから、ユタカ君に電話してみたのよ。そしたら」
「そしたら?」
「まだ寝てたみたい。なんだか寝ぼけてるみたいだったし」
やれやれ・・・。
ユタカ君が出勤してくる2時までの間4時間あまり、きちんと指示さえ出されていれば、作業の3分の1、うまくいけば2分の1は終わっていたはず。
「彼は出勤してから自分ひとりでやるつもりだったのかしら?」
Yさんは半ばあきれた顔で言う。
とりあえず、広告とリストを見ながら分かる範囲で準備をし、ユタカ君の出勤を待つことにした。
自分のほうでやらなければならない作業もあると言うのに、正直いい迷惑なのだが、同じ売り場なのだから協力し合うのは当たり前、準備ができないと言うのはありえないことなのだから、必死で準備するしかない。
ユタカ君には、やんわりと注意をしたほうが良いのだろうか。
それとも、何事もなかったかのようにただ作業の経過を報告するだけで良いのだろうか。
とりあえず、やんわりと注意した方がいいだろう。いくら社員とは言え、今日のようなことが2度とあってはならないのだから。
と、意を決し、出勤してきたユタカ君に挨拶もそこそこにお小言を並べる。
最初はやんわりというつもりだったのが、あまりにも作業が大変だったので段々と口調がきつくなり、しまいには実に高圧的な物言いをしてしまった。
ユタカ君は神妙な顔をして聞いていたが、落ち込んでいるのはありありと分かるほどで。
社歴の長さで言ったら、あたしは中堅どころ、と言った立場になるけれど、一応、パートである以上、本来ならユタカ君はあたしに説教される立場であってはならないはず。
今後の彼に期待したいところだけど、今現在あたしの中で下された評価は
はっきり言って、バカ。これにつきます。
がんばれ。ユタカ君。(涙
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