たまに××したり。
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2003年05月15日(木) |
添い遂げると言うこと。 |
「今度の日曜日が一周忌だから。行かなくてもいいから、何か送っておきなさいよ。花は長持ちしないし、お菓子のセットとか、そう言うんでいいから」
実家の母から電話があった。 叔父が亡くなってから早くも1年が経とうとしているのだ。 やれやれ、と思いつつも昨日出勤途中に冷菓の詰め合わせを送る手配をした。
朝、洗濯を済ませ、ぼんやりとPCを眺めていたら電話が鳴った。 「ハイ、もしもし」 「ああ、うららちゃん?なんか悪かったわねえ。気を使ってもらっちゃって」 叔母からの電話だった。 「ああ、もう届いたんですか。たいしたものじゃなくてごめんなさいね」 「いいのよー。お父さん喜ぶわ」 ちょっと太っていて、いつもころころと良く笑う叔母は葬儀のときも涙ひとつ見せず、 「ありがとうねえ、忙しいのに、悪かったねえ」 と言ってくれた。
叔父と叔母は大恋愛の末に結婚し、誰が見てもうらやむような仲の良さだった。 腎臓が弱かった叔母との結婚は両親に反対されたが、それでも頑として譲らず、結婚してからも当時の男性にしては珍しく、家事を手伝ったり、子どもの面倒もよく見て、仕事もできたらしく出世もし、それはそれは幸せな結婚生活だったようだ。 口を開けば 「うちのお父さんがね」 と叔父の話ばかりするような感じで、いがみ合う自分の両親と違い、とてもうらやましかった。 そんな夫婦だったから、突然叔父が逝ってしまって、叔母の喪失感は想像を絶するものらしい。
「今でもね、あきらめきれないのよ。ほんとに急に逝ってしまったから。何の心構えもなかったじゃない?買い物行くのもいつも一緒だったし、いまだにその辺で見てるような気がするのよ」
「いつかはね、お別れがくるんだから仕方ないし、寿命だったと思えばいいんでしょうけど、それでもねえ・・・あきらめきれないのよ」
まだ身近な人の死には遭遇していないあたしにとっては、自分のそばにいる人がある日突然いなくなると言うことに対して、一体どういったものなのか、想像も出来ない。 当たり前の存在がある日突然いなくなることの悲しみは一体どれほどのものなのだろう。
1年経ち、また少し年老いた叔母の寂しさを思いながら、それでも残されたものは強く生きていかなければ、と思った。
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