たまに××したり。
INDEX|これまで。|それから。
子どもの頃、父はいつも飲んだくれていて、いつも不機嫌で、だからと言って暴力を振るうわけではなかったけれど、母とは諍いが絶えず、何かの折につけ、 「おまえさえいなかったら離婚するのにねぇ」 と言われて育ったあたしは、生まれてこなければよかったのかも、と悩んだものだった。
家の中で笑い声を立てても、うるさいと怒鳴られ、そのことで泣けば泣いたで怒られ、父がいるときは始終気の休まることはなかった。
まがりなりにも、父の収入で養ってもらっているという負い目から、逆らってはいけないと思っていた幼少時代。 お父さんと仲がいいという友達を見るにつけ、うらやましさでいっぱいになった。
自分で働き始めてそれなりの収入を得るようになったある日、医者から止められていた酒をしこたま飲んで、べろんべろんになって帰宅した父を思い切り殴った。今まで押さえつけていた憎しみが一気に噴出し、翌日体中が筋肉痛になるほど無我夢中で殴り、蹴り付けていた。 その日以来、今まで威張っていた父がおとなしくなり、あたしに対してとても気を使うようになった。
あたしが夫として選んだ人は、配偶者として見たときには頼りなかったり、物足りなかったりすることがままある。 そのことで真剣に離婚しようかと思ったこともなかった、と言えばウソになる。 でも、父親としては申し分ない。 あたしが働くに当たって、彼がいるからこそ、子ども達も寂しさをさほど感じることなく安心して任せて置ける。
結婚することが家族を作るということであるならば、きっとあたしの結婚は理想的なものだろう。 まあ、余計なおまけもついてるけども。
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