たまに××したり。
INDEXこれまで。それから。


2002年11月14日(木) 親孝行。

夕飯を食べ終えて、明日はお休みだし、さっさと後片付けをして、ついふらふらと買ってきたスパークリングワインを飲もうかと思いながら台所に行くと、息子がもじもじと付いてくる。
「どうしたの?」
と聞くと
「お手伝いがしたいの」
あたしの理想とする、自立した男への第一歩だ。
踏み台を持ってきて、乗っかってもまだちょっと息子には高い流し。
せっかくのご厚意に付き添いながら洗ってもらう。
幼い手には大きすぎる皿や、なかなか落ちない汚れをゆっくりと丁寧に洗うのを見ていた。
小さいながらもその動きはきちんと基本的な動きをしていて、緩慢ではあるけれど、きちんと洗う、という目的は達成されていた。

あたしひとりで片付けたら、ものの5分もかからない量の後片付けをゆっくりと終え、照れくさそうな誇らしそうな姿の息子を見ていたら、なんだかとても嬉しかった。




もう長いこと、実家に電話していない。
何かあれば、連絡があるだろうと便りのないのは元気な証拠、とお互いに思っているところもあるのだが。
そうは言っても、大腸にポリープができて入院する、というときにすら、ひとりで黙って病院に言ったくらいな母だ。
あたしは、と言えば、夫が失業したことは1度たりともはなしていない。

本当はいろんな愚痴やらなにやらをこぼしてしまいたいと思う時がある。
自分の抱えてるもの全てを吐き出して、癒されたいと願うこともある。
だけどそれをしないのは、病弱な母に心配をかけたくないと言う一身だったり、または、余計な心配から来る説教を受けたくないと言う気持ちだったり。

親というのはきっといくつになっても、子どもが甘えるのは嬉しいものだろう。
たとえそれが深刻な悩みを打ち明けられたり、日々の暮らしの中の鬱積した愚痴をこぼされる、という形であっても。
心配をかけたくないと現状を一切話していないのは、果たして親孝行なのか、どうなのか、時折ふと、考えてしまう。

まあ、お互いに意地っ張りな似たもの親子なだけかもしれませんが。


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うらら |あばら家足跡恋文

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