たまに××したり。
INDEX|これまで。|それから。
秋の訪れとともに、さびしんぼうがやってきて、あたしの中に棲み付いてしまった。 毎日毎日、 「さびしいよう」 とあたしの中でささやいては、あたしの心までさびしくする。 あんまりうるさいものだから、あたしも一緒になって、 「さびしいよう」 と、言ってみた。 そうしたら、さびしんぼうは今度はもっと大きな声で 「さびしいよう」 と言うようになり、たまりかねたあたしはだれかれ構わず 「さびしいよう」 と言ってみた。
「何言ってるの、わたしがいるじゃない」 と言ってくれた人もあれば、 「何があったか話してごらん。話すだけで楽になるなら」 と言ってくれる人もあった。
あたしを思う人がいてくれる、そのことだけでさびしんぼうは小さくなった。1日のうち1度でもあたしのことを思う人がいる。どんな形にせよ、どんな思いにせよ、自分のことを考えてくれる人がいる。 それは充分に幸せなことだ。
だから、おやすみなさい、さびしんぼう。
あたしのマイは非通知です。
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