たまに××したり。
INDEX|これまで。|それから。
目に涙をためて、その人は言った。 「自分のどこが悪かったのか教えてくれませんか?あれからいろいろ考えたんだけどどうしても分からないんです」
「教えてもらえないと、また同じ間違いを繰り返してしまいそうで・・・だからお願いします、教えてください」
それはね、あなたがバカだからわからないんですよ。いくら私があなたに事細かに教えても、きっとあなたには分からない。言ったところで何にもならない。だから言うだけ無駄なんです。
と、答えては身も蓋もない。 「言ったところでどうにもなるものでもないし、私からお話することは何もありません」 とだけ答えると、その人は、やるせない表情でため息をつく。
まるで別れ話のようじゃないか。 あたしが一方的に別れを告げる。
―お別れは一方的になるものなのでしょうね。 と言われ。 ―バカを直して下さい。 と言われ。 ―どうすれば?と尋ねた自分と重なり、ため息をつく。
「自分の悪いところを人に聞かないと分からないなんて、どうしようもない」 と言った人の言葉を聞いて、フラッシュバックした過去に、はっとして、そのときの自分にうんざりとして、ああ、そう言うことだったのか、とその人の苛立ちを今思う。
いつだって、こうやって、通り過ぎてから気が付く。 でもそれが遅すぎたとは思わない。気が付かないで一生過すことなく、気が付くことができたのだから。
あたしのマイは非通知です。
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