麻酔の性質をもつゼリー状の薬を、国立循環器病センター研究所(大阪府吹田市)のグループが開発した。神経に直接塗って神経の働きを抑え、ふき取ると元に戻るため、麻酔の効果時間を自在に調節できる。重度の虫歯や傷口の痛みを和らげる塗り薬、痛みのない注射針などへの応用が期待できるという。神戸市で25日から開かれる高分子学会で発表する。
神経には、痛みを伝えたり、臓器や筋肉を動かすなど、それぞれ役割があり、電気信号で情報や命令を伝えている。グループは、麻酔薬と同じ成分を含むゼリー状の高分子を開発。薬を塗った神経部分で電気信号を止める性質を持つようにした。ウサギの動物実験では、神経に塗ってから約20秒後に電気信号が止まり、ふき取ると約10秒で信号が再開した。炎症などの副作用はなかったという。
グループの中山泰秀・研究機器開発試験室長は「今後、長期間たってから現れる毒性がないか調べる必要がある。痛み止めのほか、急性心筋こうそくの後に、自律神経のバランスが崩れて起きる不整脈の治療にも使える可能性がある」と話している。【根本毅】
毎日新聞 2004年5月24日 21時46分
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