日々雑感 DiaryINDEX|back|next
団地の前の道路に、小さな女の子がしゃがみこんでいる。見ると、足元に野良らしいキジトラの猫が寝転がり、じっとお腹を撫でられている。猫は時折寝返りをうちながら、嫌がりもせず気持ちよさそうに目を細め、女の子のほうはといえば、口を結んだまま真剣な表情をして、横を通り過ぎても身動きもせず視線を猫から外さない。しばらくして振り返ると、女の子の後ろ姿はまだそのままで、立ち上がる気配もなかった。猫の尻尾がぱたんと動くのが見えた。猫の身体は日向と同じに温かかったろうか。夕方。団地のフェンスの向こうに青いアジサイの花が咲いている。
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