日々雑感
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手紙がきた。偶然、2通ともイタリアからの便りだ。
村上春樹のエッセイなどで「イタリアの郵便事情は最悪」とさんざん書かれているので不信感を持っていたのだが、日付を見るとちゃんと1週間ほどで届いている。疑って悪かった。
1通はイタリア旅行中の友人から。そしてもう1通は北部フリウリ地方のとある街に住む友人から。昨年の春、この友人のところを訪ねた。スロベニアとの国境の近く。遠くに見えるアルプスはまだ雪を頂いて白かった。
時計台を持つ広場も、柱廊も、丘の上の城も確かにきれいだったけれども、よく憶えているのは、いっしょに自転車で周った行き着けの本屋や美容院、街角で、どこから来た人だろう、褐色の髪の青年がひとり奏でていたバイオリンの調べ、それに彼女の部屋の窓からだんだんと日が暮れてゆく景色を眺めていたこと。隣の家の庭には洗濯物がずらりと干されて、草むらを猫が何匹もうろうろしていた。
消印に、なつかしいその街の名前がある。もう、今すぐにでも飛んで行きたい。でもとりあえずしばらくは、東京でしっかりがんばります。この三日坊主の自分がラジオ・イタリア語講座だけは根性で続けています。やっぱり大事なのはモチベーションか。
忘れないでいてくれて、ありがとう。
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